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関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

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化学品のHSコード検索

最終更新日2021年3月21日 By 河副太智 Leave a Comment

貿易実務、通関を行う上で有機化学品のHSコードを特定する場合、
適切なHS分類を行うのは困難である事が多いと考えます。

本記事では有機化学品のHSコードを特定する為の手段をいくつか紹介します。

目次

  • 化学品分類フローチャート
  • EUの化学品データベース
  • 化学式からCASを特定するツール
  • 有機化学品のHSコード特定の原則
    • 有機化合物の分類集
  • 化学品特化型セミナー資料
      • ①プロピレン、二酸化チタン、タイヤ、種子処理剤農薬等事例
      • ②酢酸、ゴムホース、木材(ブロックボード)、プラスチック樹脂等事例
      • ③変性ポリフェニレンエーテル樹脂等事例
  • その他資料
        • 関税削減.comニュースレター登録フォーム

化学品分類フローチャート

化学品のHSコードは一般的に6部の28類から38類に分布しており、対象品目を
探すには大変手間がかかります。

そこで以下のようなフローチャートを参考にして頂ければ28類から38類のどこに
分類されるのかおおよその検討がつきますので是非ご利用下さい。

EUの化学品データベース

化学品名、CAS番号等からHSコードを分類することができるデータベース
ECICS Consultationを紹介します。

こちらはEUが提供している化学品データベースです。
検索結果は以下のようになります。

化学品のHSコード検索ツール

 

赤丸がCNcodeとなっておりますが、HSコードと同義です。
(Combined Nomenclatureの略でEU内で使われるHSコード)

青丸は化学品の名称で、IUPAC命名法での検索が可能です。

黄色の丸がCAS番号です。

 

CASコードは判明しているがHSコードが不明な場合や、
化学品名は判明しているがCASコードが不明でHSコードも不明な場合等
様々なケースがありますが、このデータベースによって
これらの情報を横断的に検索する事が可能です。

※CASコードとHSコードが直接繋がらないケースもありますので
特定のCASコードに対して表示されたHSコードはあくまでも参考として検討し、
最終的にはHS分類における規則等から分類決定する必要があります。

化学式からCASを特定するツール

化学品名もCASコードもわからないが化学構造式(画像)だけが
判明している場合は以下のようなツールを使用してお絵描きのように
構造式を書いてCASコードや化学品名を調べる事も可能です。

 

例えば以下のような化学式があったとして、化学品名もCASコードも
不明であるという場合。

 

ChemSpiderのChemical Structure Searchを使用して順に化学式を描いていきます。

 

画面左側のベンゼン環のベースを選択し、キャンバスに貼り付けます。

 

画面右側から臭素Brを選択し、貼り付けます。

 

炭素をベンゼン環と臭素に結合させて

 

再度画面左側から二重結合線を選択し、炭素同士を結合すると完成です。

描き終わったら画面下のSEARCHボタンをクリックすると以下のような情報が表示されます。

 

 

 

赤枠が品名、青枠がCASナンバーとなっており、その他にも様々なデータを
得る事が可能です。

 

 

■ChemSpider解説動画

化学構造式からCASコード等の情報を得るツールはいくつかありますので参考にして下さい。
※リンク先の情報が確実である保証はできませんのでご自身の責任でご利用ください。

Chemical Structure Search – ChemSpider

Structure Search – Sigma-Aldrich

Chemical search – draw chemical structure | Chemspace

 

上記ツールではHSコードまで調べる事は基本的にはできません。
仮にHSコードの情報が表示されていたとしても参考程度に留めておき、
得られた品名やCASコード等の情報を参考にして、ECICS Consultation等を
活用してHSコード(CNコード)の候補を絞り込む事をお勧めします。

 

有機化学品のHSコード特定の原則

これまで紹介したツールは非常に便利ではありますが、その反面こういった
ツールでは複雑な構造の化学品に対するHS分類の原則ルールや例外ルール等が
考慮されづらく、誤ったHSコードを選定してしまう可能性があります。

その為、上記ツールで得られる情報はあくまでも
範囲の絞り込みや推測として参考程度に活用して頂き、最終的にはHS分類の
原則に従い最終選定や税関の発行する事前教示照会を行う必要があります。

HSコード分類の原則は「関税率表の解釈に関する通則」を理解する
必要があります。

この通則の解説と化学品のHS分類に特化した解説資料を紹介します。

 

関税率表の解釈に関する通則、合成重合体及びこれに関連する物品の分類
(東京税関業務部 主席関税監査官部門作成)

(化学品)関税率表の解釈に関する通則、合成重合体及びこれに関連する物品の分類

(化学品)関税率表の解釈に関する通則、合成重合体及びこれに関連する物品の分類

 

 

有機化合物の分類集

有機化学品のHSコード分類原則に関する資料として最もお勧めなのが以下の
有機化合物の分類集です。

化学式と比較してHSコードの頭4桁(項)まで特定する事ができます。

 

以下のようにHSコード2904に属する化学品の化学式の例や品名が
列挙されているためHSコード分類作業がスムーズになります。

 

有機化合物の分類集の一覧から各化学品の種類ごとに調べます。
ツール等によりHSコードの絞り込みや推測ができていれば、当該HSコードの
頭4桁と同じ資料を参考にし、化学式を比較する事で特定の制度が上がります。

 

 

 

第1節 炭化水素並びにそのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第29.01項非環式炭化水素
第29.02項環式炭化水素
第29.03項炭化水素のハロゲン化誘導体
第29.04項炭化水素のスルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体(ハロゲン化してあるかないかを問わない。)
第2節アルコール並びにそのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第29.05項非環式アルコール並びにそのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第29.06項環式アルコール並びにそのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第3節フェノール及びフェノールアルコール並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第29.07項フェノール及びフェノールアルコール
第29.08項フェノール又はフェノールアルコールのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第4節エーテル、アルコールペルオキシド、エーテルペルオキシド、ケトンペルオキシド、エポキシドで三員環のもの、アセタール及びヘミアセタール並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第29.09項エーテル、エーテルアルコール、エーテルフェノール、エーテルアルコールフェノール、アルコールペルオキシド、エーテルペルオキシド及びケトンペルオキシド(化学的に単一であるかないかを問わない。)並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第29.10項三員環のエポキシド、エポキシアルコール、エポキシフェノール及びエポキシエーテル並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第29.11項アセタール及びヘミアセタール(他の酸素官能基を有するか有しないかを問わない。)並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第5節アルデヒド官能化合物
第29.12項アルデヒド(他の酸素官能基を有するか有しないかを問わない。)、アルデヒドの環式重合体及びパラホルムアルデヒド
第29.13項第29.12項の物品のハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第6節ケトン官能化合物及びキノン官能化合物
第29.14項ケトン及びキノン(他の酸素官能基を有するか有しないかを問わない。)並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第7節カルボン酸並びにその酸無水物、酸ハロゲン化物、酸過酸化物及び過酸並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第29.15項飽和非環式モノカルボン酸並びにその酸無水物、酸ハロゲン化物、酸過酸化物及び過酸並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第29.16項不飽和非環式モノカルボン酸及び環式モノカルボン酸並びにこれらの酸無水物、酸ハロゲン化物、酸過酸化物及び過酸並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第29.17項ポリカルボン酸並びにその酸無水物、酸ハロゲン化物、酸過酸化物及び過酸並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第29.18項カルボン酸(他の酸素官能基を有するものに限る。)並びにその酸無水物、酸ハロゲン化物、酸過酸化物及び過酸並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第8節非金属の無機酸のエステル及びその塩並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第29.19項りん酸エステル及びその塩(ラクトホスフェートを含む。)並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第29.20項非金属のその他の無機酸のエステル(ハロゲン化水素酸エステルを除く。)及びその塩並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
第9節窒素官能化合物
第29.21項アミン官能化合物
第29.22項酸素官能のアミノ化合物
第29.23項第四級アンモニウム塩、水酸化第四級アンモニウム及びレシチンその他のホスホアミノリピド(レシチンその他のホスホアミノリピドについては、化学的に単一であるかないかを問わない。)
第29.24項カルボキシアミド官能化合物及び炭酸のアミド官能化合物
第29.25項カルボキシイミド官能化合物(サッカリン及びその塩を含む。)及びイミン官能化合物
第29.26項ニトリル官能化合物
第29.27項ジアゾ化合物、アゾ化合物及びアゾキシ化合物
第29.28項ヒドラジン又はヒドロキシルアミンの有機誘導体
第29.29項その他の窒素官能基を有する化合物
第10節オルガノインオルガニック化合物、複素環式化合物及び核酸並びにこれらの塩並びにスルホンアミド
第29.30項有機硫黄化合物
第29.31項その他のオルガノインオルガニック化合物
第29.32項複素環式化合物(ヘテロ原子として酸素のみを有するものに限る。)
第29.33項複素環式化合物(ヘテロ原子として窒素のみを有するものに限る。)
第29.34項核酸及びその塩(化学的に単一であるかないかを問わない。)並びにその他の複素環式化合物
第29.35項スルホンアミド
第11節プロビタミン、ビタミン及びホルモン
第29.36項プロビタミン及びビタミン(天然のもの及びこれと同一の構造を有する合成のもの(天然のものを濃縮したものを含む。)に限る。)並びにこれらの誘導体で主としてビタミンとして使用するもの並びにこれらの相互の混合物(この項の物品については、溶媒に溶かしてあるかないかを問わない。)
第29.37項ホルモン、プロスタグランジン、トロンボキサン及びロイコトリエン(天然のもの及びこれと同一の構造を有する合成のものに限る。)並びにこれらの誘導体及び構造類似物(主としてホルモンとして使用するもので、変性ポリペプチドを含む。)
第12節グリコシド及びアルカロイド(天然のもの及びこれと同一の構造を有する合成のものに限る。)並びにこれらの塩、エーテル、エステルその他の誘導体
第29.38項グリコシド(天然のもの及びこれと同一の構造を有する合成のものに限る。)及びその塩、エーテル、エステルその他の誘導体
第29.39項アルカロイド(天然のもの及びこれと同一の構造を有する合成のものに限る。)及びその塩、エーテル、エステルその他の誘導体
第13節その他の有機化合物
第29.40項糖類(化学的に純粋なものに限るものとし、しよ糖、乳糖、麦芽糖、ぶどう糖及び果糖を除く。)並びに糖エーテル、糖アセタール、糖エステル、糖エーテルの塩、糖アセタールの塩及び糖エステルの塩(第29.37項から第29.39項までの物品を除く。)
第29.41項抗生物質
第29.42項その他の有機化合物

 

上記資料からHSコードの頭4桁が確定できれば次は実行関税率表にて
4桁以降のHSコードを特定します。

その際は同時に実行関税率表29類の類注や29類解説も確認する事によって
HSコード分類の原則や除外規定の確認ができます。

 

化学品特化型セミナー資料

税関が主催する品目特化型原産地規則セミナーの解説スライドを紹介させていただきます。

①プロピレン、二酸化チタン、タイヤ、種子処理剤農薬等事例

東京税関業務部総括原産地調査官による原産地規則説明会資料(平成27年3月版)
経済連携協定(EPA)に係る原産地規則の概要 - 輸入化学品を中心に –

化学品の原産地規則

②酢酸、ゴムホース、木材(ブロックボード)、プラスチック樹脂等事例

東京税関業務部総括原産地調査官による原産地規則説明会資料(平成29年6月版)
経済連携協定に係る原産地規則の概要~化学品、ゴム製品及び木製品の輸入を中心に~

 

化学品の原産地規則

 

③変性ポリフェニレンエーテル樹脂等事例

東京税関業務部総括原産地調査官による原産地規則説明会資料(平成29年4月版)
経済連携協定に係る原産地規則の概要~輸入化学品を中心に~

 

化学品の原産地規則

 

その他資料

税関への事前教示は一般向けに公開されておりますので、同種同類の化学品が
過去にどのように分類されたのかを確認する事ができます。

事前教示回答事例データベース(日本の税関による事前教示事例検索)
アメリカ税関(CBP)事前教示データベース
EU税関による事前教示データベース

 

その他以下の資料も化学品のHSコード分類に役立ちます。
16918の化学商品(書籍)
ゼーラム(有料データベース)
nite(品名からcasや化審法、規制の検索ができるHSは含まない)

最後に英語で化学品のHS分類の方法を紹介したPDF冊子を紹介します。
Guidebook on the HS Classificationof Chemicals & Chemical Products
海外と化学品関連のやり取りをする際に役立ちそうです。

 

ご不明な点はございますか? EPAやHSコード等通関全般についてご質問頂ければ
関税削減.com運営者で元通関士の私河副が直接回答致します。
フォームからご連絡頂ければ税関や通関業者にはなかなか聞けない事、
今更聞きづらい初歩的な事など幅広く対応させていただきます。

また、関税削減に必要な情報の一覧は関税削減.comTOPページをご覧下さい。


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