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関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

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原産地証明書のHSコードと実際のHSコードが異なる場合の対処法

最終更新日2020年1月15日 By 河副太智 Leave a Comment

原産地証明書に記載されたHSコードと実際に輸入申告の際に適用する
HSコードが異なるという事はよくあります。

この場合はEPAを適用して当該品目の関税削減ができるのかどうかが
問題となります。

そこで不備のある原産地証明書の取扱いに関する規定のある
関税法基本通達 68-5-12 (ニ) の内容を確認します。

HS番号等の不備については、原産地証明書は原産性を証明する書類
であることから軽微な誤りとすることはできず、ごく些細な事項や限ら
れた場合以外は、その原産地証明書は原則無効として取り扱う。

原産地証明書に記載されたHSコードが実際の貨物と異なる場合は
「原則無効」となりますが関税法基本通達 68-5-12 (ニ) の但し書き
には更に以下のような規定があります。

ただし、輸入者が原産地証明書以外の資料に基づいて原産品であるこ
とを明らかにできる場合は、当該不備を軽微な誤りとみなして、その
原産地証明書は有効として取り扱う。

この規定は輸入者が資料に基づいて原産品であることを明らかにできる
場合(文書による原産地に関する事前教示を取得している場合を含む。)
は有効として取り扱うという意味になります。

原産品であることを明らかにできる書類というもの自体に厳密な
定義は存在しませんので、輸出者、製造者と協議の上、税関側が納得
する資料を用意する必要があります。

 

また、以下に該当する場合には 原産地証明書に異なる税番が記載された
ことについて理由を聴取のうえ、当該原産地証明書は有効と認められる
場合があります。

1.相違がHSのバージョン違いに起因する場合

2.

(ⅰ) 締約国原産地証明書の記載が、いわゆる「完全生産品」又
は「原産材料のみから生産される産品」であり、かつ、同締約
国の原産品とすることに特段の疑義が認めらない場合。

(ⅱ) 上記(ⅰ)以外の場合であって、記載税番と適用税番に対する
経済連携協定に定める品目別規則が同一のものであり、かつ、
同締約国の原産品とすることに特段の疑義が認められない場合。

(ⅲ) 上記(ⅰ)及び(ⅱ)以外の場合であって、当該輸入貨物に適用
されるべき税番の決定に当たって記載税番としたことに相当の
理由があると認められ、かつ、当該貨物が経済連携協定に定め
る締約国原産品と認められる場合。

また上記のいずれにも該当しない場合であっても、輸入者が資料に基づい
て原産品であることを明らかにできる場合(文書による原産地に関する事
前教示を取得している場合を含む。)には、当該原産地証明書は有効な
ものと認められます。

 

特段の疑義が認められる場合とは?

(ⅰ)及び(ⅱ)に定義されている「同締約国の原産品とすることに特段の疑義
が認められない場合」にあたらない場合、つまり疑義が発生する状況の事
例は以下の通りです。

・ 「北極圏の国からの熱帯性果実」など、地理的・気候的条件に鑑みて、
締約国原産品とすることに疑義がある場合。

・ 原産地証明書に記載されている貨物と輸入貨物(インボイス記載貨物等)
が一致せず、同一性の確認が困難な場合。

品目別規則が同一のものとは?

(ⅱ)に定義されている品目別規則が同一のものにあたらない事例は以下の
通りです。

・ 品目別規則がともにCC である場合で、記載税番と適用税番の類が異なる
場合(CTH、CTSH についても同様)。

以下、タイ協定において特恵基準欄がPSであったと仮定して、2.(ⅱ)
「品目別規則が同一のもの」に該当する例、該当しない例を紹介します。

(例①) タイからアロマオイル(第3307.49号)を輸入するが、原産地証明書に
記載された税番6桁が3307.90であった。原産地証明書の訂正や取直しを
行うことなく、有効な原産地証明書としてタイ税率を適用してよいか。

第33.07項の品目別規則は、第3306.90号から第3307.90号までの各号の産品
への当該各号が属する項以外の項の材料からの変更、原産資格割合が40%
以上であること(以下略)である。この場合、記載税番に対して他の項に属
する非原産材料は適用税番にとっても他の項に属する非原産材料と考える
ことができるので「品目別規則が同一のもの」に該当すると認められる。
(例えば非原産の第13類の材料は記載税番、適用税番の
どちらにとってみても他の項(=第33.07項以外の項)の材料である。)、

「品目別規則が同一のもの」の場合には、原産地証明書により記載税番の
品目別規則を満たしていると証明されているのであるから、適用税番の品
目別規則についても同様に満たしていると推定でき、有効なものとして取
り扱って差し支えない。ただし、品目別規則を満たさず、原産品でないこ
とが判明した場合には、当然、タイ税率の適用はできない。

(例②) タイからプラスチック製の台所用流し(第39.22項)を輸入するが、原産
地証明書に記載された税番が3917.40であった。原産地証明書の訂正や取直し
を行うことなく、有効な原産地証明書としてタイ税率を適用してよいか。

第39.16項から第39.26項までの品目別規則は、第39.16項から第39.26項までの
各項の産品への当該各項以外の項からの変更、原産資格割合が40%以上であ
ること(以下略)である。
一見すると上記例①と同じく同一の規則が設定されているように見えるが、
実際には両者は異なる条件が付されている。

記載税番第39.17項にとって他の項の材料とは、当然ながら、第39.17項以外
の材料であり、適用税番第39.22項にとっての他の項の材料とは第39.22項以
外の材料である。

つまり、原産地証明書によって証明されている内容は、非原産材料の中に
第39.17項の材料が含まれていなかったということを証明しているだけで
あり、適用税番が原産品と認められるための条件である、非原産材料の
中に第39.22項の材料が含まれていないという内容を証明したとはいえな
いことになる。

記載税番 第39.17項 品目別規則:第39.17項以外の材料からの製造
→ 材料に第39.22項の非原産材料があっても原産品と認められる。

適用税番 第39.22項 品目別規則:第39.22項以外の材料からの製造
→ 材料に第39.22項の非原産材料があったら原産品と認められない。

以上から例②は「品目別規則が同一のもの」に該当しないことから、
「輸入者が資料に基づいて原産品であることを明らかにできる」か
について検討することになる。
但し、僅少の非原産材料の規定を満たす場合、又は第39.22項の関税
分類変更基準以外の品目別規則を満たす場合はこの限りではない。

また、上記2.(ⅲ):「相当の理由」の例としては
輸入者が輸出者に対して契約の際に適用税番で原産地証明書を
取得するよう要求していたが、発給機関の事情で記載税番となった
場合が考えられます。

出典:EPA 原産地規則マニュアル

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