• Skip to primary navigation
  • Skip to main content
  • Skip to primary sidebar

関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

  • 電子書籍で読む
  • HSコードとは
  • 記事一覧
  • 著者紹介
  • English
  • 運営者によるサポート
※効率的に関税削減を行うための図解マニュアルは こちらからダウンロード。

税関事後調査でEPA適用が取り消されるケース

最終更新日2022年2月24日 By 河副太智 Leave a Comment

EPA(一般特恵関税制度を含む)を活用して関税を削減している場合、事後調査で
原産地証明書等を確認した上で対象品目の原産性を追求される事があります。

税関によるEPAの原産地規則等の確認は「検認」、「事後確認」と呼ばれる別の調査も
ありますが事後調査でも同じように行われます。

このような原産地証明書を提出する事により関税削減を行える申告を行った場合、輸入
者は税関の求めに対し、いつでも原産性を立証できるよう準備しておく必要があるので
事後調査の際にEPA適用の為の原産地規則を満たしている事実を立証できないと過去に
EPAを適用をする事により免税となっていた分が最高過去5年分まで遡って追徴され、
過少申告加算税や延滞税も課される事になります。

事例:EPA特恵税率の適用誤り輸入者Fは、ラオスの輸出者から日アセアンEPAに基づきEPA特恵税率を適用して繊維製品を輸入していました。
しかしながら、この繊維製品は第三国から調達した生地を使用して生産されており、日アセアンEPA上の原産品と認められるための条件を満たしていないため、EPA特恵税率を適用することはできず、WTO協定税率等を適用することになりました。
その結果、その他の申告漏れも含め、追徴税額は1,679万円でした。出典:財務省HP

事例:EPA特恵税率の適用誤り
輸入者Gは、ベトナムの輸出者から乾燥野菜を輸入していました。Gは、アセアン原産品として日アセアンEPAに基づく関税率(EPA特恵税率)を適用して申告していました。
しかしながら、この乾燥野菜は、生産に使用された野菜が中国から調達されており、アセアンの原産品としての資格を与えるための条件を満たしていないため、EPA特恵税率を適用することはできず、WTO協定税率を適用することになりました。
その結果、課税価格14億5,874万円に対して9%の関税が課されることとなり、追徴税額は1億5,032万円でした。出典:財務省HP

 

目次

  • 原産性の確認では何を問われるのか
  • EPA原産性確認の質問状
  • EPA適用の怖い部分
      • 関税削減.comニュースレター登録フォーム

原産性の確認では何を問われるのか

EPAを適用する事により関税削減を行えるという事は当該品目が適用したEPAの締約国
内で生産された品目であるという事を証明する必要があります。

EPA締約国にて完全に生産された品目であるのであればその証拠書類を
EPA締約国外から調達した部材、原料を使用している場合はどの原産地規則を適用して
EPA締約国産品としてみなしたのかという証拠書類を求められます。

では税関はEPAを適用して輸入した品目の原産性に関してどのような質問をするのかが
非常に気になるところです。

そこで税関が貿易企業等に送付する原産性を確認する質問状を探したところ、
日本税関が海外企業に向けた原産性に関する質問状を入手する事に成功しました。

当該質問状は英語版ではありますが、日本企業に向けても同じような質問がされるもの
と考えられますので、こちらを参考にする事によりEPA適用品目の原産性確認はどのよ
うに行われるのかが予測可能となります。

EPA原産性確認の質問状

日本税関が海外企業に向けた原産性に関する質問状は以下になります。
日本企業に対するEPA原産性確認事項も以下と同様の内容であると考えます。

SECTION1ではEPA適用品目の締約国における製造工程に関する質問で、
SECTION2ではEPA締約国以外から調達した部材、原料の説明とそれらのHSコード
が求められます。

SECTION3ではEPA締約国から調達した部材、原料等により完成した品目、あるいは
EPA締約国の完全生産品を輸入した場合、当該品目の詳細、EPA締約国産である事の
理由(原産地規則を満たす理由)、サプライヤーの名称と住所が求められます。

SECTION4では以下の5つの質問があります。
1.僅少の非原産材料の規定が適用されているか。
2.累積の規定が適用されているか。」
3.非締約国から調達した間接材料、梱包材料等で原産地規則を満たした物があるか。
4.付加価値基準が適用されているか、されていればその割合。
5.加工工程基準の適用があるか

SECTION5では完全生産品であっても各種原産地規則を満たしてEPA締約国原産品と
なった品目であっても、それぞれEPA締約国原産品である事を証明する各種書類を提示
するようにとの指示があります。

EPA適用の怖い部分

EPAの原産性に関する質問状をご覧いただくと質問量の多さに驚かれるかと思います。
しかし、EPAを適用して関税削減を行う場合、上記項目の内容はいつでも税関に対して
説明できる状況でないとEPAの適用はできないという事になっております。

EPA適用可否に関する質問は検認、事後確認、事後調査といった様々な機会で貿易企業
に質問が来ますのでこれに適切な回答ができないと過去のEPA適用分の特恵関税率が全
て否認されてしまうという事になります。

EPAに関しては様々なセミナーや説明会がありますがこのような部分に対する十分な解
説は基本的にされませんので輸出者、製造者、輸入者が一体となって理解する必要があ
ります。

近年は特に自己証明という形でEPAを適用する事が多いため、原産地規則に関して無知
なまま原産品申告書等を作成してしまい、後で多額の追徴課税を課される輸入者が増え
ています。

EPAや一般特恵関税率を適用する場合は必ず原産地規則等の事前確認が重要です。
「輸出者や製造者がこの内容で原産地証明をしたから」という言い訳は通用しません。
輸入者自身、あるいは輸出者、製造者を通して原産性の証明がいつでもできるように
する必要があります。

ご不明な点はございますか? EPAやHSコード等通関全般についてご質問頂ければ
関税削減.com運営者で元通関士の私河副が直接回答致します。
フォームからご連絡頂ければ税関や通関業者にはなかなか聞けない事、
今更聞きづらい初歩的な事など幅広く対応させていただきます。

また、関税削減に必要な情報の一覧は関税削減.comTOPページをご覧下さい。


■関税削減マニュアルpdf版を無料配信中。
関税に関する法令や協定は日々変化が著しく、常に最新の情報を得る事は困難です。
関税削減.comでは関税に関する重要なお知らせをメールにて無料配信しております。
登録して頂くとamazonで販売中の関税削減マニュアルのpdf版(約500ページ)を
無料で提供させていただきます。
ニュースレター解除はいつでも可能であり、大量のメール配信は行いませんので
是非登録をお願いします。

関税削減.comニュースレター登録フォーム

受信ボックスか迷惑メールフォルダを確認して購読手続きを完了してください。

関税削減.comのコンテンツは電子書籍での閲覧が可能です。
複雑な法令等を素早く調べたい場合に非常に便利です。

Filed Under: FTA/EPA, 検認、事後確認, 税関事後調査

関連記事一覧

ニッケルの粉の関税を削減する実例

FTAを適用してニッケル粉末の関税を削減する実際のケース 導入 輸入者Aは、FTA締約国である英国からニッケル粉末を輸入することを検討しています。ニッケル粉末は、非締約国から調達された原材料を使用して英国で製造されていま […]

靴の関税を削減する実例

FTAを使用した関税削減の可能性 輸入国Aの商社がFTA締約国であるカンボジアから履物を輸入しようとしています。当該履物はカンボジアにて製造され、履物を製造する際、カンボジア内にて調達した各種原料とFTA非締約国から調達 […]

飴の関税削減事例

  事例 輸入国Aの商社がFTA締約国であるB国から砂糖菓子を輸入しようとしています。 当該砂糖菓子はFTA締約国B国にて製造される。砂糖菓子を製造する際、締約国B内にて調達した砂糖と水飴とFTA非締約国から調 […]

インドにおける各種輸出入法令に関するアドバイザー紹介

インドとの貿易取引を行う場合、輸出入規制やHS分類、FTA/EPA等において 悩む事が多い事かと存じます。 他の国々と比較してインドの制度はわかりにくい部分も多く様々な混乱が発生する為、 情報収集をしたところ、非常に誠実 […]

バッグ(鞄)のHSコードに対する画像一覧

HS:4202.11 – トランク、スーツケース、携帯用化粧道具入れ、エグゼクティブケース、書類かばん、通学用かばんその他これらに類する容器 –外面が革製又はコンポジションレザー製のもの HS:4 […]

Reader Interactions

コメントを残す コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

Primary Sidebar

  Linkedinはこちら  

関税削減.comのニュースレターに
登録して頂くと関税削減マニュアル
pdf版(約500p)が無料になります。
解除はいつでも可能です。

関税削減マニュアルを無料で受けとる

受信ボックスか迷惑メールフォルダを確認して購読手続きを完了してください。



■著者:河副 太智について

■ご質問に回答します。

おすすめの記事

■日EU原産地申告書作成方法
■TPP原産品申告書作成方法
■世界の関税率を直接検索
■税関の事後調査は怖い?
■輸出国税関から調査要請
■関税評価と事後調査
■関税率の調べ方
■世界のFTA/EPA協定文を検索
■HSをネット検索する方法
■日本と海外はHSが違う?
■原産地記号一覧
■ 英語版FTA/EPA学習コース
■全記事一覧

新着記事

  • ニッケルの粉の関税を削減する実例
  • 靴の関税を削減する実例
  • 飴の関税削減事例
  • インドにおける各種輸出入法令に関するアドバイザー紹介
  • バッグ(鞄)のHSコードに対する画像一覧
  • 3DアートペンのHSコードは8516か8477のどちらに分類?
  • ローラースケートプロテクターのHS分類は付属品になるのか
  • ケース、箱、容器のHSコード分類法
  • 吊り棚のHSコードは9403(家具) か 6307(繊維製品)か?
  • 税関事後調査情報は税務署にも繋がっている
  • 税関事後調査でEPA適用が取り消されるケース
  • 税関事後調査でHSコードの誤りから追徴課税になるケース
  • おもちゃのHSコードはどう決まる?(貯金箱の事例)
  • 税関から「会社概要の照会について」が来たら要注意
  • 税関から「会社概要のお伺い」が来たら要注意
  • 税関から「会社概況調査のご案内」が来たら要注意
  • トレッキングポールは「杖」HS:6602に分類される?
  • 元税関職員が語る事後調査を回避する方法
  • 過去の税関輸入事後調査の状況
  • RCEP詳細
  • プールラウンジャーのHSコード分類判例
  • 自動車用アイススクレーパーはHS3926かHS8708か?
  • 部分品と付属品の定義
  • 小売用セットか分離課税か?(オーディオアクセサリー)
  • 国によって異なるHSコード分類解釈
  • コロナ関連医療機器のHSコード一覧
  • 日EU・EPAでREXナンバーの記載は必要か
  • 化学品HSコード分類フローチャート
  • 有機化合物の化学式画像によるHSコード分類表
  • 通商法301の追加関税対象製品をHSコードで検索
  • 中国製品に特恵関税率を適用(RCEP原産品申告書例)
  • コロナ対策品目のHSコード一覧
  • 利用規約の英語版テンプレートを簡単に作成する
  • 税関審査官によって異なるHSコード分類
  • 靴のタリフエンジニアリング(アメリカ向け)
  • 汎用品に分類されるHSコードとサンプル画像一覧
  • 企業が安価輸入品から利益を守るアンチダンピング関税発動法
  • アンチダンピング関税で不当安価な輸入品から利益を守る
  • プラ製自動車部品のHSコードはどう分類する?
  • 日EU・EPA運用における意見相違
  • 日米貿易協定
  • EPAの仕組みを英語で解説して取引先に理解させる
  • 材質分類か用途分類か
  • HS分類の「改正」なのか分類ミスの「訂正」だったのか?
  • 小売り用セット品目のHSコード分類法
  • 関税率表解説の”通常”や”例えば”という文言の解釈
  • HS分類ミスによる追徴課税
  • 口頭事前教示申請でHSコードの分類を行う
  • 部品メーカーが直面する原産地証明への対応
  • ボルトとねじのHSコード分類法

カテゴリー

  • FTA/EPA
    • CTC実例
    • RCEP
    • 原産地規則実例
    • 日EU・EPA
    • 検認、事後確認
  • HSコード
    • HS分類判例
    • タリフエンジニアリング
    • 各国税関による分類事例
    • 意見相違
    • 自動車部品
    • 部分品の原産地規則
  • NEWS
  • WEB集客
  • ツール
  • 一般特恵関税
  • 中国
  • 未分類
  • 特殊関税
  • 税関事後調査
  • 解説書
  • 貿易通関統計
  • 通関英語
  • 関税法
  • 関税評価

旧HS2002,2007,2012へ変換

Copyright © 2025関税削減.com
当サイトの掲載情報を利用することで生じたトラブル及び損害に対しては一切責任を負いません。