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関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

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「車用フロアマット」のHSコード分類事例

最終更新日2020年6月25日 By 河副太智 Leave a Comment

「車用フロアマット」のHSコード分類は構造や材質によって、
繊維製品や自動車部品など複数のHSコードに分類され得ます。

用途は同じであるにも関わらず、複数のHSコードに分類されてしまうと、
分類する側に混乱を生じさせてしまうという問題があります。

そこで、本記事では「車用フロアマット」のHSコード分類事例を種類別
に紹介し、様々な事例を通じて「車用フロアマット」分類先の手がかり
になる情報をお伝えします。

目次

  • 日本税関によるHSコード判例
    • 日本税関判例:自動車の部分品に分類
    • 日本税関判例:繊維製品(じゅうたん)に分類
    • 日本税関判例:表面が繊維でも自動車部品に分類
  • 諸外国税関によるHSコード判例
    • ドイツ税関判例:表面がPVCで自動車部品に分類
    • ドイツ税関判例:表面がPVCで自動車部品に分類
    • イギリス税関判例:表面が繊維でじゅうたんに分類
  • 最終見解
        • 関税削減.comニュースレター登録フォーム

日本税関によるHSコード判例

「車用フロアマット」に対する税関の事前教示による判例は以下の通りです。
(※本記事中の「判例」とは裁判所の判決ではなく税関による「判断事例」を指します。)

日本税関判例:自動車の部分品に分類

登録番号 110003664
税関 名古屋
処理年月日 2010/08/09
一般的品名 自動車用の部分品(床用内装材)
税番 8708.29-000(分類当時のHSバージョン)

貨物概要:
自動車に使用する床用内装材製法:表面の不織布と裏面のフェルトを加熱し、
スタンプ成形法(冷間プレス)で定寸の2層に成形し、穴開け加工したもの。
材質:表面-ポリエステル製不織布(ニードルパンチカーペット)
裏面-雑綿混フェルトサイズ:122cm×173cm用途:
自動車の床用内装材として恒久的に取付ける。

分類理由:
本品は、自動車の床の形状に成形された不織布、フェルトからなる内装材で
あり、専ら自動車において使用する物品であると認められる。したがって、
本品は、関税率表第17部注3及び同表解説第17部総説(III)(a)〜(c)並
びに同表第87.08項及び同表解説第87.08項の規定により、乗用自動車の部分
品として、上記のとおり分類する。

見解:
本事例での品目は表面の素材が不織布で裏面はフェルトを加熱し、スタンプ
成形法作られている点と恒久的に自動車に取り付けるという点で自動車部品
に分類するのが一番適切だという判断に至ったと考えます。

日本税関判例:繊維製品(じゅうたん)に分類

登録番号 113000166
税関 名古屋
処理年月日 2013-01-29
一般的品名 自動車の床用マット
税番 5704.90-100(分類当時のHSバージョン)

貨物概要:
乗用自動車の前席の床に敷くマット 構 造:(繊維部)ポリプロピレン製
フェルトカーペット (ベース)合成ゴムとPVCを混合したもの
製 法:ベースとフェルトカーペットを熱プレス加工する。
サイズ:約50cm×約70cm 用 途:乗用自動車の車内において、前部
座席の足元に敷き、フロアマットとして使用する。

分類理由:
本品は、ポリプロピレン製フェルトカーペットと滑り止め加工(スパイク
加工)が施されたシート(合成ゴムとPVCを混合したもの)を熱プレス
加工して結合した、床用敷物としての特性である硬さ、厚さ、強さを有す
る自動車の床用マットで、自動車の床の形状に合わせてカットして使用さ
れる。 本品は、使用時の露出面の大部分が紡織用繊維(フェルト)製の、
自動車用に適する寸法及び形状の床用敷物として、関税率表第57類注1、
同表第57.04項及び同表解説第57.04項の規定により上記のとお
り分類する。

見解:
本事例での品目は使用時の露出面の大部分が紡織用繊維(フェルト)製で
あり、①と異なりじゅうたんの要素を含む事により、繊維製品に分類され
ました。

日本税関判例:表面が繊維でも自動車部品に分類

登録番号 110005853
税関 名古屋
処理年月日 2011-02-03
一般的品名 自動車用トレイ型マット
税番 8708.29-000(分類当時のHSバージョン)

貨物概要:
乗用自動車の荷室に敷くトレイ型のマット
性 状:表面素材のポリエステル製パイル編み生地(100%)の裏面に
熱可塑性エラストマーオレフィン系樹脂発泡シート及びエチレン・酢酸
ビニル樹脂発泡シートを圧着したものをプレス加工後、縁をパイピング
加工したもの。底部は平らでなく、凹凸が成形されている。
サイズ:幅1020mm×奥行き550mm×縁の立ち上がりの高さ50
mm、厚さ約5mm(税関実測値) 用 途:車内のトランクルームに敷き、
マットとして使用する。

分類理由:
本品は、表面素材のポリエステル製パイル編み生地の裏面に熱可塑性エラ
ストマーオレフィン系樹脂発泡シート及びエチレン・酢酸ビニル樹脂発泡
シートを圧着したものをプレス加工したトレイ型のマットである。 プラス
チック製の2層のシートによって縁が5cm幅で立ちあがり、底部が凹凸
を有する形状であることから、本品は、床用敷物として関税率表第57類
には分類されない。 本品は、特定の車種に適合した形状を有し、トランク
ルームに置くトレイ型のマットであることから、専ら自動車内で使用され
る物品と認められるため、同表解説第17部総説(III)部分品及び附
属品の(a)~(c)を充足し、同表第87.08項及び同表解説第87.
08項の規定により、上記のとおり分類する。

見解:
本事例での品目は表面素材が紡織用繊維(ポリエステル製パイル編み)製
であるにも関わらず、じゅうたんのHSコードには分類されず、自動車部品
に分類されました。
実際の品目を確認したい所ではありますが、プラシートで縁が5cmあり、
更に底の形状がじゅうたんの要素を満たしていないという事が考えられます。

出典:税関事前教示事例を一部加工して作成

諸外国税関によるHSコード判例

ドイツ税関判例:表面がPVCで自動車部品に分類

登録番号 DEBTI15994/19-1
税関 ドイツ
処理年月日 28/06/2019
一般的品名 CONTAINING FOUR PIECES FOR MOTOR VEHICLES OF PLASTIC
POLYVINYL CHLORIDE
税番 8708.29(分類当時のHSバージョン)

自動車用にカットされたフロアマット4部セット、サイズはドライバー
と助手席に1つずつ71 cm x 44.5 cm、と45.5 cm x 43.5 cmの座席の後部列
用の2つのフロアマット-上部に滑り止めの波型構造を装備
表面素材はプラスチック製(PVC)である為、自動車用部品に分類

 


出典:European Commission HP

ドイツ税関判例:表面がPVCで自動車部品に分類

登録番号 DEBTI8586 / 19-1
税関 ドイツ
処理年月日 14/06/2019
一般的品名 ドアマット
税番 8708.29(分類当時のHSバージョン)

乗用車専用にカットされたフロアマットの2部セット。表面素材はプラ
スチック(ポリ塩化ビニル-PVC-)寸法約700 mm x約455 mm-
背面が黒で銀色の前面がコルゲート構造(いわゆるクロムルックデザイ
ン/アルミニウムルックコーティング)。
運転手および助手席側-段ボールハンガー(ライダー付きボウ)小売販売
用にオープン。
表面素材はプラスチック製(PVC)である為、自動車用部品に分類

出典:European Commission HP

イギリス税関判例:表面が繊維でじゅうたんに分類

登録番号 GB121403236
税関 イギリス
処理年月日 2012-01-06
一般的品名 ドアマット
税番 5702.42(分類当時のHSバージョン)

表面素材はポリプロピレン織物で裏面には滑り止め加工がされています。

出典:European Commission HP

最終見解

上記の事例を見ると自動車用フロアマットのHS分類を決定づける要因は
表面の材質と裏面の材質が大きいと考えます。

じゅうたんの定義要件を満たすものはじゅうたん側のHSコードに分類され、
それ以外のものは自動車用部品等に分類されるため、分類の際は57類の要件
をしっかりと当てはめて検討する必要があります。

※本記事による各国の品目分類事例は参考のためのものであり、
一切の法的効果や税関の判断を拘束するものではありません。

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