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関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

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国によって異なるHSコード分類解釈

最終更新日2021年4月24日 By 河副太智 Leave a Comment

HSコードは世界共通の制度ではありますが、特定の品目においては
同じ品目であってもHSコードの分類解釈は国によって異なることが
しばしばあります。

本記事を読むことにより国ごとに解釈が異なる事実を知り、HSコー
ドという制度が絶対的なものではないという事を理解する事ができ
ます。

この事実を知っておくとHS分類解釈の意見相違を事前に防ぐ事が
できる可能性が高くなりますので是非参考にして下さい。

 

私自身が見てきた国によって意見相違が極端に大きい品目は
「ソープディスペンサー」です。

プラ製の容器とポンプからなる手動式の品目で電気式ではありません。
手でディスペンサー上部を押すとポンプが作動し、内容物が適用量排出
される仕組みです。

この品目のHS分類は5つの国で解釈が異なります。

EUとスイスHS:8479.89
アメリカHS:8424.89
日本HS:3924.90 (GRI3(b))
台湾HS:8413.20
インドHS:3924.90 (GRI1)

 

目次

  • EUの事例 HS:8479.89
  • アメリカの事例 HS:8424.89
  • 日本の場合 HS:3924.90
  • 台湾の場合 HS:8413.20
  • インドの場合 HS:3926.90
  • スイスの場合 HS:8479.89
  • 結論
        • 関税削減.comニュースレター登録フォーム

EUの事例 HS:8479.89

EU諸国は共通して8479.89(その他の機械)にて分類しています。

事前教示参照番号: DEBTI21927/19-1
Issue date: 2019-07-22
HS code: 84798997900
解説(機械翻訳):
ソープディスペンサー(品番:18791):プラスチック製の立方体の筐体に、取り外し可能な、容器の開口部に取り付けられた手動式のピストンポンプと、バネ式の吸引管およびソープディスペンサーの注ぎ口(図は別紙参照)が付いており、ピストンポンプを押すことで液体を定量的に吐出するものです。”コード番号8479 1000 00 0から8479 8997 85 0以外の、第84章の他の場所で指定されていない、または含まれていない、個々の機能を持つ機械、装置および器具 – いわゆるソープディスペンサー”

原文解説:

 

アメリカの事例 HS:8424.89

アメリカ税関の場合8424.20(噴射用の機器)に分類します。

事前教示参照番号: HQ H305296
Issue date: July 6, 2004
HS code: 8424.89.7090
解説(機械翻訳):

問題となっている商品は、手で操作する石鹸とローションのディスペンサーで、手描きの液体ガラスポンプと識別されています。このユニットは、ガラス瓶のリザーバー、プラスチック製のポンプアセンブリ、ディスペンサーヘッドで構成されています。ポンプアセンブリを上下に押すことで、ソープやローションがリザーバーからポンプを通って移動し、ディスペンサーヘッドを通って外に排出されます。
ソープ&ローションディスペンサーに適用される小分類は、液体を投射、分散または噴霧するためのその他の機械的器具を規定する米国の調和関税表(HTS)8424.89.7090です。

米国の税関が8424.20を8424.89に分類するように変更した理由は以下の通りです。
コンパクトなオックスフォード英語辞典では、スプレーガンを “a device resembling a gun which is used to spray a liquid such as a paint under pressure. “と定義しています。ENに記載されているように、スプレーガンは通常、圧縮空気や蒸気ラインに取り付けられるように設計されており、投射される材料が入ったリザーバーと接続され、ノズルからの流れを制御するためのトリガーやバルブが取り付けられています。 x、HTSUSの8424.20項の記述には該当しません。
HTSUSの8424.89.90小分類は、液体を投射または分散させるためのその他の機械的器具を規定しています。我々は以前、インスタント商品と同様の方法で動作する手動式ポンプディスペンサーは、HTSUSの8424.89に分類されると判断したことがある。HQ H070635(2010年7月13日)、HQ H012731(2008年3月27日)、HQ 956522(1994年8月29日)、HQ 956530(1994年8月29日)を参照してください。したがって、対象となるポンプディスペンサーのハンドポンプは、HTSUSの8424.89に分類されると結論づけています。

さらに、「Harmonized Commodity Description and Coding System Compendium of Classification Opinions」によると、Pumpは8424.89に分類されます。

8424.89「ポンプ」は
押しボタン,ノズル,ピストン・スプリング,シール・ピストン,ステム,容器ガスケット,スクリュー・キャップからなる。
コンテナガスケット,スクリューキャップ,ハウジング,スプリング,シールボール,二重管からなる。
本製品は,液体,粉体,発泡体を噴射する容器の首部に取り付けられるように設計されている。
液体,粉末,または泡を,ピストンポンプを用いてノズルから噴出させるために,容器の首部に取り付けられるように設計されている。

 

 

日本の場合 HS:3924.90

日本の分類方法はポンプと容器を別々に検討し、通則3(b)を適用して
内容物を保存する容器に重要な特性があると判断し,3924.90のプラス
チック製品に分類した事例が多く存在します。

Source: Yahoo Shopping

事前教示参照番号: 115003375
Issue date: 2015-07-17
HS code: 392490010
解説: 

Source: Japan customs

台湾の場合 HS:8413.20

台湾税関はその名のまま8413.20の(ハンドポンプ)に分類
しました。

事前教示参照番号: 104AA0113
Issue date: 2015-03-05
HS code: 841320
解説(機械翻訳):ソープポンプ 本件に添付された情報によれば、本件商品は、ハンドポンプとコンクリート製の容器を組み合わせたソープディスペンサーである。その機能は、ハンドポンプを単発または繰り返し操作することにより、液体石鹸を定量化するものである。アップグレードは、ハンドポンプ商品のカテゴリーに属し、カタログ番号8413.20.00.00-1に記載されているはずです。

Original description:

インドの場合 HS:3926.90

インドの事前教示回答では通則1を適用して3926.90のプラスチック
製品に分類しています。

事前教示参照番号: GUJ/GAAR/R/34/2020
Issue date: 03/07/2020
HS code: 3926.90
English description:

解説(機械翻訳):申請者は、2011年から中国から「プラスチック製機械式液体ディスペンサー」を輸入し、現地で販売していることを明らかにした。これらのディスペンサーは、ボトルのキャップとして使用される。これらのディスペンサーは、ボトルのキャップとして使用され、直接吐出、スプレータイプの吐出、または泡タイプの吐出のいずれかによって液体を吐出するために使用されます。

問題の商品は、機械器具、消火器、スプレーガンと類似の器具、スチームまたはサンドブラスト機と類似のジェット噴射機ではなく、CTH 8424.89にも分類されません。なぜなら、CTH 8424.89は農業または園芸用の器具以外を対象としており、同じタイプの機能を持つ工業用ベローと類似の他の製品が対象となるからです。

スイスの場合 HS:8479.89

EU諸国と同じく8479.89(その他の機械類)に分類

事前教示参照番号: Customs ruling in Switzerland
Issue date: 01/04/2020
HS code: 8479.89
English description:ソープディスペンサー
基本的には、容器と手動式のピストンポンプで構成されています。
液体石けんなどの製品を、プラスチック製の容器の中に定量吐出(分配、噴霧、散布ではありません)するための手動式ピストンポンプです。
液体石けんまたは類似の製品を吐出する(分配、噴霧、散布ではない)ための容器と手動操作のピストンポンプで構成されたプラスチック製のディスペンサーです。
単位重量が5000kg以下のもの。

Original description:

Source: Customs ruling in Switzerland

 

結論

同じ品目が5つの国、地域によって全く異なる解釈をしており、
分類先のHSコードが複数に渡って異なります。

EUとスイス HS:8479.89
アメリカ HS:8424.89
日本 HS:3924.90(通則3(b))
台湾 HS:8413.20
インド HS:3924.90(通則1)

日本とインドは分類先のHSコードは同じですが、結論に至るまでの
解釈、適用する通則が異なります。

これを見るとHSコードという制度は世界共通ではありながらも
絶対的なものではないという事がよくわかると思います。

このような解釈の違いが貿易取引において大きな問題を引き起こす
可能性も十分にありますので、普段扱わない品目を通関する場合は
できるだけ
〇各国の事前教示を受ける
〇事前教示回答事例を確認する
〇現地代理人を通じてHS分類の事前確認を受ける
事などをお勧めします。

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