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関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

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税関が敗訴したロッキングプライヤーのHSコード分類裁判

最終更新日2020年6月19日 By 河副太智 Leave a Comment

ロッキングプライヤーのHSコード分類を争点として
輸入者(Irwin Industrial Tool Company)が米国税関(CBP)を被告として訴訟提起し、
税関が敗訴した事例をCustoms Bulletinより引用して紹介します。

本事例では輸入者が「プライヤー」(HS:8203)として申告したロッキングプライヤーを
米国税関(CBP)が「レンチ」(HS:8204)であると判断し、両者の間に意見相違があり、
訴訟まで発展したという事例です。

本事例を読み解く前にまずレンチとプライヤーの違いを確認してみます。

目次

  • レンチの例
  • プライヤーの例
  • 訴訟対象のロッキングプライヤー
  • 裁判所(CIT)の判断
  • EU税関のロッキングプライヤー判断事例
      • 関税削減.comニュースレター登録フォーム

レンチの例

ポーランド税関分類事例(HS:820412)PLBTIWIT-2019-001495

出典:EU Customs Union

モンキーレンチと呼ばれる調節機能のついたレンチです。
対象物を傷つけることなく回す事ができるのが特徴です。

 

プライヤーの例

ポーランド税関分類事例(HS:820320)PLBTIWIT-2020-000196

出典:EU Customs Union

先ほどのレンチとは異なり人間の手で握りしめる事により対象物を掴んで
回したり引き抜いたりする為、対象物が傷つきやすいのが特徴です。

 

訴訟対象のロッキングプライヤー

以下の画像の対象物が実際に裁判の対象となった品目です。

出典:Customs Bulletin

プライヤーとしての特徴である人の手で握りしめて対象物を傷つけながら
締め付け、レンチのような調節機能により締め付けたまま固定する事が可能
であるため、「プライヤー」(HS:8203)なのか「レンチ」(HS:8204)なのかで
判断に迷う部分ではあります。

 

裁判所(CIT)の判断

裁判所は米国税関(CBP)が主張するHSコード分類「レンチ」(HS:8204)の判断を退け、
輸入者が主張するHSコード分類「プライヤー」(HS:8203)の判断を認容するに至りました。

裁判所の意見としては当該品目は用途的には米国税関が主張するレンチに該当
するがHSコード分類の規定におけるレンチの定義に用途に関する規定が無いとして
用途よりも外見的特徴から「プライヤー」(HS:8203)に分類する事になりました。

 

EU税関のロッキングプライヤー判断事例

実際他の国の税関でロッキングプライヤーはどこに分類されているのかを
確認したところ、ポーランド税関に類似事例がありましたので紹介します。

ポーランド税関分類事例(HS:820320)PLBTIWIT-2019-000261

出典:EU Customs Union

本事例の対象品目は米国裁判所(CIT)で争われた品目とほぼ同種とみて
良いと考えます。

ポーランド税関では米国裁判所(CIT)と同じようにHSコード8203.20の
プライヤーに分類しています。

米国税関は裁判所の判断に不服があり控訴し、控訴裁判所においても敗訴
しておりますが、引き続きロッキングプライヤーはレンチに分類するという
考えは継続するようです。

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Filed Under: HSコード, 各国税関による分類事例, 意見相違

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