• Skip to primary navigation
  • Skip to main content
  • Skip to primary sidebar

関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

  • 電子書籍で読む
  • HSコードとは
  • 記事一覧
  • 著者紹介
  • English
  • 運営者によるサポート
※効率的に関税削減を行うための図解マニュアルは こちらからダウンロード。

税関審査官によって異なるHSコード分類

最終更新日2020年12月15日 By 河副太智 Leave a Comment

HSコードの分類法は通常、世界共通であると考えられますが実際矛盾する部分も
多くあります。
特に機械、自動車等の部分品の分類に関しては非常に混乱する事があります。

よくあるケースでは同じ品目を輸出しているにも関わらず、輸出先国の税関に
よってHSコードが異なるという現象があります。

今回紹介する事例は同一国に輸出した同一の品目であっても対象国の税関審査官に
よってHSコードの分類先が異なるという事例です。

目次

  • ドイツ税関の場合
  • アメリカ税関(CBP)の場合
  • インド税関の場合
  • HSコード分類意見相違への対処法
        • 関税削減.comニュースレター登録フォーム

ドイツ税関の場合

以下の品目は自動車内部機関に使用されるケーブルを束ねるためのホルダーです。
2017年にHSコード:3926.30(プラスチック製自動車部品)に分類されています。

画像

発行国ドイツ 出典:EU Customs Union
IDDE239/17-1
日付2017-05-26
品名CABLE HOLDER
HSコード3926.30

以下の事例は同じくドイツ税関によるHSコード分類事例です。
上記の事例と同じ品目で自動車内部機関に使用されるケーブルを束ねるための
プラスチック製ホルダーですが2018年通関時には税関審査官が異なるせいか
HSコード8707.99(自動車部品)に分類されています。

画像

発行国ドイツ 出典:EU Customs Union
IDDEBTI5248/18-1
日付2018-09-06
品名CABLE HOLDER
HSコード8708.99

HSコード:3926.30(プラスチック製自動車部品)と8707.99(自動車部品)は
境界のはっきりしない部分ですので税関審査官によって意見のばらつきが発生し
やすく注意が必要です。

アメリカ税関(CBP)の場合

アメリカ税関審査官の意見とアメリカの裁判所(CIT 米国国際貿易裁判所)の
HSコードの分類意見が異なるという事例もあります。

以下の品目は「プライヤー」(HSコード:8203)でもあり、
「レンチ」(HSコード:8204)でもあるという両方の機能を備えた工具です。

出典:Customs Bulletin

プライヤーとしての特徴である人の手で握りしめて対象物を傷つけながら
締め付け、レンチのような調節機能により締め付けたまま固定する事が可能
であるため、「プライヤー」(HS:8203)なのか「レンチ」(HS:8204)なのかで
判断に迷う部分ではあります。

裁判所はアメリカ税関(CBP)が主張するHSコード分類「レンチ」(HS:8204)の判断を
退け、輸入者が主張するHSコード分類「プライヤー」(HS:8203)の判断を認容するに
至りました。

裁判所の意見としては当該品目は用途的には米国税関が主張するレンチに該当
するがHSコード分類の規定におけるレンチの定義に用途に関する規定が無いとして
用途よりも外見的特徴から「プライヤー」(HS:8203)に分類する事になりました。

アメリカ税関はこの判断を不服とし、今後同種の品目が輸入されてもHSコードは
初回の判断を貫き、8204での通関を続けると主張しているため、同種品目をアメリカに
輸出する方は混乱するかもしれません。

インド税関の場合

インド税関を悪く言うつもりは無いのですがインド税関でのHSコード分類基準は
一体どうなっているのか甚だ疑問に思います。

税関審査官によって意見がコロコロ変わるだけでなく、輸入地、時期によっても
分類基準が異なる場合があるためインド向けに輸出している方はHSコードの分類
基準で悩むことが多いのではないかと考えます。

実際インドでのHSコード意見相違についての相談を受ける事がよくありますので
インド税関での事前教示をお勧めする事もありますが、回答を得るまでに1年近く
もかかるという実情があるようでインド税関では事前教示制度は事実上の運用に
過ぎないと評価せざるを得ません。

HSコード分類意見相違への対処法

上記のような問題を解決する方法として最も有効な手段は事前教示制度の活用と
いう事になりますが、対象品目が多い、通関を急いでいる、相手国税関との取次
をどうするかなど事前教示制度の活用はまだまだ困難であると考えます。

そのため、代替案として各国税関の事前教示回答データベースを参照する事を
お勧めします。対象品目が過去にどのHSコードで分類されているかを調査し、
分類根拠を関税率表解説(Explanatory Notes)から引用し、通関審査時に先に
輸入者側から税関に提出し、税関側に疑問を持たせないように誘導するという
方法です。

どの国でも税関職員は非常にプライドが高いため、一度HSコードの分類に対する
疑義を発したらよほどの事がない限り撤回する事はありません。
その為、分類に至った根拠を税関職員から質問される前にしっかりと提示する事が
スムーズに通関する為に重要なポイントになる事があります。

 

ご不明な点はございますか? EPAやHSコード等通関全般についてご質問頂ければ
関税削減.com運営者で元通関士の私河副が直接回答致します。
フォームからご連絡頂ければ税関や通関業者にはなかなか聞けない事、
今更聞きづらい初歩的な事など幅広く対応させていただきます。

また、関税削減に必要な情報の一覧は関税削減.comTOPページをご覧下さい。


■関税削減マニュアルpdf版を無料配信中。
関税に関する法令や協定は日々変化が著しく、常に最新の情報を得る事は困難です。
関税削減.comでは関税に関する重要なお知らせをメールにて無料配信しております。
登録して頂くとamazonで販売中の関税削減マニュアルのpdf版(約500ページ)を
無料で提供させていただきます。
ニュースレター解除はいつでも可能であり、大量のメール配信は行いませんので
是非登録をお願いします。

関税削減.comニュースレター登録フォーム

受信ボックスか迷惑メールフォルダを確認して購読手続きを完了してください。

関税削減.comのコンテンツは電子書籍での閲覧が可能です。
複雑な法令等を素早く調べたい場合に非常に便利です。

Filed Under: HSコード, 各国税関による分類事例, 意見相違

関連記事一覧

ニッケルの粉の関税を削減する実例

FTAを適用してニッケル粉末の関税を削減する実際のケース 導入 輸入者Aは、FTA締約国である英国からニッケル粉末を輸入することを検討しています。ニッケル粉末は、非締約国から調達された原材料を使用して英国で製造されていま […]

靴の関税を削減する実例

FTAを使用した関税削減の可能性 輸入国Aの商社がFTA締約国であるカンボジアから履物を輸入しようとしています。当該履物はカンボジアにて製造され、履物を製造する際、カンボジア内にて調達した各種原料とFTA非締約国から調達 […]

飴の関税削減事例

  事例 輸入国Aの商社がFTA締約国であるB国から砂糖菓子を輸入しようとしています。 当該砂糖菓子はFTA締約国B国にて製造される。砂糖菓子を製造する際、締約国B内にて調達した砂糖と水飴とFTA非締約国から調 […]

インドにおける各種輸出入法令に関するアドバイザー紹介

インドとの貿易取引を行う場合、輸出入規制やHS分類、FTA/EPA等において 悩む事が多い事かと存じます。 他の国々と比較してインドの制度はわかりにくい部分も多く様々な混乱が発生する為、 情報収集をしたところ、非常に誠実 […]

バッグ(鞄)のHSコードに対する画像一覧

HS:4202.11 – トランク、スーツケース、携帯用化粧道具入れ、エグゼクティブケース、書類かばん、通学用かばんその他これらに類する容器 –外面が革製又はコンポジションレザー製のもの HS:4 […]

Reader Interactions

コメントを残す コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

Primary Sidebar

  Linkedinはこちら  

関税削減.comのニュースレターに
登録して頂くと関税削減マニュアル
pdf版(約500p)が無料になります。
解除はいつでも可能です。

関税削減マニュアルを無料で受けとる

受信ボックスか迷惑メールフォルダを確認して購読手続きを完了してください。



■著者:河副 太智について

■ご質問に回答します。

おすすめの記事

■日EU原産地申告書作成方法
■TPP原産品申告書作成方法
■世界の関税率を直接検索
■税関の事後調査は怖い?
■輸出国税関から調査要請
■関税評価と事後調査
■関税率の調べ方
■世界のFTA/EPA協定文を検索
■HSをネット検索する方法
■日本と海外はHSが違う?
■原産地記号一覧
■ 英語版FTA/EPA学習コース
■全記事一覧

新着記事

  • ニッケルの粉の関税を削減する実例
  • 靴の関税を削減する実例
  • 飴の関税削減事例
  • インドにおける各種輸出入法令に関するアドバイザー紹介
  • バッグ(鞄)のHSコードに対する画像一覧
  • 3DアートペンのHSコードは8516か8477のどちらに分類?
  • ローラースケートプロテクターのHS分類は付属品になるのか
  • ケース、箱、容器のHSコード分類法
  • 吊り棚のHSコードは9403(家具) か 6307(繊維製品)か?
  • 税関事後調査情報は税務署にも繋がっている
  • 税関事後調査でEPA適用が取り消されるケース
  • 税関事後調査でHSコードの誤りから追徴課税になるケース
  • おもちゃのHSコードはどう決まる?(貯金箱の事例)
  • 税関から「会社概要の照会について」が来たら要注意
  • 税関から「会社概要のお伺い」が来たら要注意
  • 税関から「会社概況調査のご案内」が来たら要注意
  • トレッキングポールは「杖」HS:6602に分類される?
  • 元税関職員が語る事後調査を回避する方法
  • 過去の税関輸入事後調査の状況
  • RCEP詳細
  • プールラウンジャーのHSコード分類判例
  • 自動車用アイススクレーパーはHS3926かHS8708か?
  • 部分品と付属品の定義
  • 小売用セットか分離課税か?(オーディオアクセサリー)
  • 国によって異なるHSコード分類解釈
  • コロナ関連医療機器のHSコード一覧
  • 日EU・EPAでREXナンバーの記載は必要か
  • 化学品HSコード分類フローチャート
  • 有機化合物の化学式画像によるHSコード分類表
  • 通商法301の追加関税対象製品をHSコードで検索
  • 中国製品に特恵関税率を適用(RCEP原産品申告書例)
  • コロナ対策品目のHSコード一覧
  • 利用規約の英語版テンプレートを簡単に作成する
  • 税関審査官によって異なるHSコード分類
  • 靴のタリフエンジニアリング(アメリカ向け)
  • 汎用品に分類されるHSコードとサンプル画像一覧
  • 企業が安価輸入品から利益を守るアンチダンピング関税発動法
  • アンチダンピング関税で不当安価な輸入品から利益を守る
  • プラ製自動車部品のHSコードはどう分類する?
  • 日EU・EPA運用における意見相違
  • 日米貿易協定
  • EPAの仕組みを英語で解説して取引先に理解させる
  • 材質分類か用途分類か
  • HS分類の「改正」なのか分類ミスの「訂正」だったのか?
  • 小売り用セット品目のHSコード分類法
  • 関税率表解説の”通常”や”例えば”という文言の解釈
  • HS分類ミスによる追徴課税
  • 口頭事前教示申請でHSコードの分類を行う
  • 部品メーカーが直面する原産地証明への対応
  • ボルトとねじのHSコード分類法

カテゴリー

  • FTA/EPA
    • CTC実例
    • RCEP
    • 原産地規則実例
    • 日EU・EPA
    • 検認、事後確認
  • HSコード
    • HS分類判例
    • タリフエンジニアリング
    • 各国税関による分類事例
    • 意見相違
    • 自動車部品
    • 部分品の原産地規則
  • NEWS
  • WEB集客
  • ツール
  • 一般特恵関税
  • 中国
  • 未分類
  • 特殊関税
  • 税関事後調査
  • 解説書
  • 貿易通関統計
  • 通関英語
  • 関税法
  • 関税評価

旧HS2002,2007,2012へ変換

Copyright © 2025関税削減.com
当サイトの掲載情報を利用することで生じたトラブル及び損害に対しては一切責任を負いません。