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関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

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関税率表解説の”通常”や”例えば”という文言の解釈

最終更新日2020年8月12日 By 河副太智 Leave a Comment

HSコードの分類の際に参照する関税率表解説のには”通常”や”例えば”という
文言と共に分類される可能性の高い品目を列挙している事があります。

HSコード3808.94の消毒剤の解説(PDF19ページ)を確認すると以下のように
記載されています。

(Ⅳ)消毒剤
消毒剤は、通常、無生物体上にある好ましくないバクテリア、ウイルス
その他の微生物を死滅又は不可逆的に不活性化させる薬剤である。
消毒剤は、例えば、病院では壁等の掃除又は器具の殺菌に使用する。
これらは、また農業では種子の消毒に使用したり、好ましくない微生物を
抑制するために飼料の製造に使用する。

上記の解説を見ると「無生物体上」に使用される物が当該HSコードに分類される
と読めるので壁や器具等に使用される品目は当該HSコードに分類されます。

では人体に使用する消毒剤は当該HSコードに分類されるのでしょうか?
上記解説にある、”通常”や”例えば”という文言と共に紹介される事例以外の
品目が当該HSコードから除外されるのかどうかが問題になります。

そこで以下に各国税関によるハンドジェルの分類事例を紹介します。

 

目次

  • リトアニア税関によるHSコード判断事例
  • 日本税関によるHSコード判断事例
  • 米国税関によるHSコード判断事例
  • 結論
        • 関税削減.comニュースレター登録フォーム

リトアニア税関によるHSコード判断事例

税関:リトアニア
登録番号:LTBTI2018-DEC-3T-0025/14
日付:2018-12-13
HSコード:3808.94

出典:European Commission

本事例は”通常”や”例えば”という文言はあくまでも参考として捉え、
人体に使用するハンドジェルも消毒剤のHSコード3808.94に分類されています。

 

日本税関によるHSコード判断事例

出典:税関HP

本事例は除菌用のウェットティッシュですが、手に使用する目的である事から
先ほどの例と同じく”通常”や”例えば”という文言はあくまでも参考として捉えて
おり、消毒剤のHSコード3808.94に分類されています。

 

米国税関によるHSコード判断事例

米国税関(CBP)は上記2件とは異なる見解を示し、消毒用ハンドジェルを
化学品のその他(HSコード:3824.99)に分類しました。

 

出典:米国税関(CBP)

これは米国税関では”通常”や”例えば”という文言にある「無生物体上」に使用される
品目のみがHSコード3808.94に分類されるという考え方の上に成り立っているのでは
ないかと考えます。

米国税関はこのほかにもいくつかハンドジェル関連製品を事前教示にて3824.99に分類
しています。分類事例:N304365, N303248, N242763, N233860, N032988,  L89057

しかし、Customs Bulletin and Decisions Aug. 5, 2020,. によると米国税関は今まで
ハンドジェルのHSコードを3824.99に分類した事例を全てHSコード3808.94に変更する
と発表しました。

これは”通常”や”例えば”という文言が人体に使用する品目を除外する目的ではなかった
と判断した為です。

結論

その為、関税率表解説のには”通常”や”例えば”という文言はあくまでも例示であって
そこに列挙されている品目にHSコードの分類判断が拘束されるわけでは無いとの
結論が出せる事になります。

逆に”○○に限る”という文言がある場合は列挙された品目に限定されるという事に
なりますのでご注意ください。

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Filed Under: HSコード, 各国税関による分類事例, 意見相違

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