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関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

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河副太智

材質分類か用途分類か

最終更新日2020年9月10日 By 河副太智 Leave a Comment

HSコードの分類を行う際に材質を基準に分類するのか用途で分類するのかが
曖昧になる場合があります。

本記事では米国税関がこの判断を誤り、後に訂正を行った事例を紹介します。

概要

米国税関は輸入者から「雨量計」の事前教示の依頼を受けた際、該当品目の材質に
着目し、材質に重要な特定があると判断。
ガラス製の雨量計をHSコード7020.00(ガラス製品)に分類し、プラスチック製の
雨量計をHSコード3924.90(プラスチック製品)に分類する事になりました。

後に米国税関は本分類は誤りであったと自主的に判断を撤回し、ガラス製、
プラスチック製両方の雨量計をHSコード9015.80(気象観測用の機器)に
分類の修正を行いました。

他国の判断事例

本事例では材質分類から用途分類に変更する事になりましたが、米国以外の国で雨量計
を分類する場合どのHSに分類されているのかを調べてみました。

画像
発行国ドイツ
ReferenceDE1351/12-1
発行日2012-05-11
品名Rain gauge
HSコード9015.80

 

 

画像
発行国ドイツ
ReferenceDE26898/16-1
発行日2017-01-16
品名Rain gauge
HSコード9015.80

Retrieved from:European Union Website

ドイツと米国では材質分類か用途分類かという点で意見相違が発生していました。
本事例のように材質分類でも用途分類でもHSコード選定ができる場合は通則3(a)
を検討し「もっとも特殊な限定」をしているのはどちらかを判断する事になります。

プラスチック製品やガラス製品での分類は対象品目の数が膨大になるのに対し、
「気象観測用の機器」という分類では対象品目が大きく絞り込まれるため
「もっとも特殊な限定」をしていると考えられます。

その為雨量計は気象観測用の機器(HSコード9015.80)に分類される事になります。

Filed Under: HSコード, 各国税関による分類事例, 意見相違

HS分類の「改正」なのか分類ミスの「訂正」だったのか?

最終更新日2020年9月10日 By 河副太智 Leave a Comment

「のりの調製品」のHS コードは平成 31 年 4 月 1 日に改正される事になりました。

それまで「のりの調整品」のHSコードは2106.90に分類されていましたが、

改正後は2008.99-228等に分類される事になりました。

当該改正は平成 31 年 4 月 1に行われたものですが、海外の税関で「のりの調整品」は
どのHSに分類されていたのかが気になりましたので調べてみました。

画像

発行国ドイツ
IDDE10476/14-1
日付2014-06-30
品名SEAWEED
HSコード2008.99

 

画像

発行国スウェーデン
IDSE2016-06401
日付2016-12-12
品名SEAWEED
HSコード2008.99

出典:European Commission

ドイツ税関もスウェーデン税関も2014年と2016年の時点で「のりの調整品」の
HSコードを2008.99に分類しています。

この事から本来「のりの調整品」のHSコードの正しい分類先は2008.99であると
考えるのであれば日本が行った平成 31 年 4 月 1日における「のりの調整品」の
HSコード分類改正は「誤りの修正」とも見る事ができると考えますので、
これを改正と呼ぶ事が正しいのかどうか疑問な所でもあります。

HSコードの分類に絶対は無いので国によって判断が異なる事は珍しくありませんが
こういった事例は今後も紹介していきたいと思います。

Filed Under: HSコード, 各国税関による分類事例, 意見相違

小売り用セット品目のHSコード分類法

最終更新日2020年8月29日 By 河副太智 Leave a Comment

輸出入品目の中には複数の品目が一つのセットになっていることもあります。

例えば以下のような散髪器具4点が小売り用にセットになった品目の場合、HSコードは
どのように分類されるのでしょうか。

 

出典:HARMONIZED COMMODITY DESCRIPTION and CODING SYSTEM or HARMONIZED SYSTEM(HS) & ASEAN HARMONIZED TARIFF NOMENCLATURE(AHTN)

品目の内訳は
ヘアクリッパー(HS8510)、くし(HS9615)、ハサミ(HS8213)ブラシ(HS9603)となり、
その中でどの品目がセット品に対する重要な特性を与えているかがHS分類基準となります。

本事例ではヘアクリッパーが重要な特性を与えている事になると判断され、HSコード8510の
ヘアクリッパーに分類されることになりました。

もし、ハサミが非常に高価なものでかつ、散髪という目的を遂行するのに重要な要素を
持っていると判断されればハサミ(HS8213)に分類される可能性もあるかもしれません。

 

もう一つ事例を紹介します。

以下のようにスキンケア製品、マット、おむつ、お尻ふき、布製収納ケースが
一つになったような場合はどのようにHSコードの分類を行うのでしょうか。

出典:European Commission

先ほどの散髪器具とは異なり、何がセット品の中で重要な特性を持つのかを判断する事が
非常に困難な事例であると考えます。

本事例では複数の品目を収納する布製収納ケースが重要な特性を持つと判断され、携帯用
化粧道具入れ等(HS:4202.92)に分類される事になりました。

小売り用セット品目分類根拠

小売り用セット品目の分類根拠は通則3(b)(Ⅹ)において以下のように定義されています。

この通則の適用上、「小売用のセットにした物品」とは、次の物品をいう。
(a)異なる項に属するとみられる二以上の異なった物品から成るもので、
(b)ある特定の必要性を満たすため又はある特定の活動を行うため、
共に包装された産品又は製品から成り、かつ、
(c)再包装しないで、最終使用者に直接販売するのに適した状態に包装されている物品

上記で紹介した散髪用具とおむつセットを当てはめていくと
(a)散髪用具セットもおむつセットも異なるHSに分類される品目の集まりであり、
(b)散髪、おむつ交換という特定の活動のために共に包装されており、
(c)画像ではわかりませんが全ての品目が一つに梱包され、そのまま消費者に提供される
形で輸入されている

という形で通則3-(b)(X)の要件を満たしているため、セット品のうちの一つを代表にして
HSコードの分類が行える形になります。

小売り用セット品目として分類できない事例

以下の事例はポケットナイフと腕時計が小売り用セットとして輸入された品目です。

Source:CBP

本事例の場合は小売り用セット品目としては認められません、なぜならば先ほどの
通則3(b)(Ⅹ)の(b)の要件であるある特定の必要性を満たすため又はある特定の活動を
行うため、
共に包装された産品を満たしていないと考えるためです。

ポケットナイフと腕時計の2つを使って何か一つの目的を達成するというのはなかなか
考えにくいものであるため、本事例の品目は小売り用セット品目とはみなされず、
ポケットナイフと腕時計をそれぞれ分離課税対象として、2品目の申告となります。

小売り用セット品目をEPA関税削減対象にするには

小売り用セット品目をEPA締約国から輸入し、関税削減の対象とする場合、各EPAの
規定によって微妙に取り扱いが異なる部分がありますが、基本的にはセット品目全てが
原産地規則を満たす必要があると考えていた方がよいでしょう。
(※協定によりますがセット品の一部が非原産であっても価格構成によってはセット品目
全体を原産品として扱う救済規定があるEPAもあります。例:日メキシコ、日ぺルー、TPP等)

そのため小売り用セット品目をEPA関税削減対象とする場合にはセット品目一つ一つの
原産性を確認する必要が出てくるため非常に手間になる可能性があります。

Filed Under: 各国税関による分類事例, 意見相違

関税率表解説の”通常”や”例えば”という文言の解釈

最終更新日2020年8月12日 By 河副太智 Leave a Comment

HSコードの分類の際に参照する関税率表解説のには”通常”や”例えば”という
文言と共に分類される可能性の高い品目を列挙している事があります。

HSコード3808.94の消毒剤の解説(PDF19ページ)を確認すると以下のように
記載されています。

(Ⅳ)消毒剤
消毒剤は、通常、無生物体上にある好ましくないバクテリア、ウイルス
その他の微生物を死滅又は不可逆的に不活性化させる薬剤である。
消毒剤は、例えば、病院では壁等の掃除又は器具の殺菌に使用する。
これらは、また農業では種子の消毒に使用したり、好ましくない微生物を
抑制するために飼料の製造に使用する。

上記の解説を見ると「無生物体上」に使用される物が当該HSコードに分類される
と読めるので壁や器具等に使用される品目は当該HSコードに分類されます。

では人体に使用する消毒剤は当該HSコードに分類されるのでしょうか?
上記解説にある、”通常”や”例えば”という文言と共に紹介される事例以外の
品目が当該HSコードから除外されるのかどうかが問題になります。

そこで以下に各国税関によるハンドジェルの分類事例を紹介します。

 

リトアニア税関によるHSコード判断事例

税関:リトアニア
登録番号:LTBTI2018-DEC-3T-0025/14
日付:2018-12-13
HSコード:3808.94

出典:European Commission

本事例は”通常”や”例えば”という文言はあくまでも参考として捉え、
人体に使用するハンドジェルも消毒剤のHSコード3808.94に分類されています。

 

日本税関によるHSコード判断事例

出典:税関HP

本事例は除菌用のウェットティッシュですが、手に使用する目的である事から
先ほどの例と同じく”通常”や”例えば”という文言はあくまでも参考として捉えて
おり、消毒剤のHSコード3808.94に分類されています。

 

米国税関によるHSコード判断事例

米国税関(CBP)は上記2件とは異なる見解を示し、消毒用ハンドジェルを
化学品のその他(HSコード:3824.99)に分類しました。

 

出典:米国税関(CBP)

これは米国税関では”通常”や”例えば”という文言にある「無生物体上」に使用される
品目のみがHSコード3808.94に分類されるという考え方の上に成り立っているのでは
ないかと考えます。

米国税関はこのほかにもいくつかハンドジェル関連製品を事前教示にて3824.99に分類
しています。分類事例:N304365, N303248, N242763, N233860, N032988,  L89057

しかし、Customs Bulletin and Decisions Aug. 5, 2020,. によると米国税関は今まで
ハンドジェルのHSコードを3824.99に分類した事例を全てHSコード3808.94に変更する
と発表しました。

これは”通常”や”例えば”という文言が人体に使用する品目を除外する目的ではなかった
と判断した為です。

結論

その為、関税率表解説のには”通常”や”例えば”という文言はあくまでも例示であって
そこに列挙されている品目にHSコードの分類判断が拘束されるわけでは無いとの
結論が出せる事になります。

逆に”○○に限る”という文言がある場合は列挙された品目に限定されるという事に
なりますのでご注意ください。

Filed Under: HSコード, 各国税関による分類事例, 意見相違

HS分類ミスによる追徴課税

最終更新日2020年7月28日 By 河副太智 Leave a Comment

HSコード分類の規則はブラックボックスであるため、税関と輸出入者等の間での意見相違の発生や
分類ミスが発生することは珍しいことではありません。

実際にどれほどのHSコード分類の誤りが発生しているのか正確な件数を把握する事はできませんが
カナダ政府監査機関が発行するレポートに参考になる情報が掲載されておりました。

カナダ税関の発表によるとカナダに輸入される貨物のおよそ20%がHSコードの分類に誤りがあると
報告されています。

更に2015年~2016年の会計年度においては2100万CAD(カナダドル)の輸入者に対する追徴課税が
HSコード分類の誤りによって発生しているとの報告もあります。

HSコード分類は貿易手続きの中では軽視されがちな分野ではありますが、万が一意見相違や誤りが
あれば重大な事故につながる恐れがあるため、極力事前教示制度等輸入国税関への相談は欠かさない
ようにしたいものです。

Filed Under: HSコード, 意見相違

口頭事前教示申請でHSコードの分類を行う

最終更新日2020年7月18日 By 河副太智 Leave a Comment

HSコードの分類を税関に質問する場合に一般的に利用する制度としては
関税監査官に対する事前教示申請がありますが、こちらは書面で回答を得るものと
口頭で回答を得るものの両方があります。

書面での申請の場合、回答までに数日~数週間要する事になる反面
口頭での申請の場合、即日回答を得られる事が多く、煩わしい申請書類作成を
省ける為、多くの申請者が口頭による事前教示申請を希望します。

古いデータですがWCO(世界税関機構)が発行するHS CLASSIFICATION HANDBOOKに
日本の税関に申請された書面による事前教示申請と口頭による事前教示申請の統計
データが以下のように掲載されておりました。

1999年の書面による事前教示申請は4,095件、口頭申請は40,554件
2000年の書面による事前教示申請は4,285件、口頭申請は47,928件
2000年の書面による事前教示申請は4,605件、口頭申請は56,183件

これを見ると口頭による事前教示申請は書面による事前教示申請の約10倍もある
事がわかります。現在の申請件数はもっと増えていると思われますが、書面と
口頭の差も同じく大きく開きがあるものと考えます。

口頭での事前教示申請は比較的スムーズにすむ場合が多いので、一般的には
多少のリスクを負ってでもスピードを優先したいと考え、誰もが口頭での
申請を望むかと思いますが口頭での事前教示は拘束力が無いため、いざ本番で
HS分類に疑義が発生し、通関の遅れや不測の関税が発生する可能性もあります。

手間も時間もかかりますが基本的に私は書面による事前教示をお勧めします。
その為には輸出入貨物の概要が判明した段階で早めに事前教示申請を行う事が
必要不可欠です。

Filed Under: HSコード

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