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関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

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部分品の原産地規則

※効率的に関税削減を行うための図解マニュアルは こちらからダウンロード。

車用アームレストのHSコードは附属品になるか

最終更新日2020年2月6日 By 河副太智 Leave a Comment

自動車用アームレストを製造する際に使用するプラスチック原料等を
EPA非締約国から調達する場合に、完成品である車用アームレストが
輸出先において関税削減の対象となるEPA締約国の原産品としてみな
されるかどうかという点について当該車用アームレストのHSコード
が自動車の附属品になるかどうかを検討します。

Hyundai 84660-2W100-RYN ARMREST ASSEMBLY-CONSOLE

出典:hyundaipartsdeal.com

HSコード分類の際に検討する問題点

車用アームレストのHSコードが自動車付属品である8708.29となる場合、
非締約国から調達した「プラスチック原料」から加工して製造されて
いればHS39からHS87へと変更されている事になる為、原産地規則を
満たしやすいと考えます。

しかし以下の「プラ製自動車内張品取付具のHSコードは部分品になるか」
という記事にてプラスチック製の自動車部分品はHS3926.30に分類される
場合もあるという事例を紹介させて頂きました。

プラ製自動車内張品取付具のHSコードは部分品になるか

そこで車用アームレストがHS8708.29の自動車付属品に分類されるのか
HS3926.30のプラスチック製自動車部分品に分類されるのかを検討
してみます。

 

通則と部注の規定からHSコードを特定

当該「車用アームレスト」が自動車の付属品になるかどうかは
自動車附属品のHSの属する17部の注規定を確認します。

17部の注2には

「部分品」及び「部分品及び附属品」には、次の物品を含まない。

という除外規定があり、その中の(b)に以下のような定義があります。

プラスチック製のこれに類する物品(第 39 類参照)

 

 

この規定を見ると例え自動車専用の部品であってもそれがプラスチック製
である場合は自動車部品のHSの属する17部からは除外される場合もあり得
るという事になります。

そこで39類の分類を確認すると「自動車用の取付具」という分類を見つけ
る事ができます。

 

しかし、車用アームレストは取付具とは異なりますので、この39類には
属さないと考えるのが自然かと考えます。

 

次に、第17部総説(III)を見ると以下のような品目は
17部の自動車付属品に分類されないとする除外規定がございます。

装飾用のビーズストリップで製品にしたもの、ヒンジ、ドアの取手、
支え棒、足掛け及び窓開閉装置、ナンバープレート、国籍プレート等
(卑金属製の物品は 83 類に属し、プラスチック製のこれに類する物品は
39 類に属する。)

アームレストは特にここで指定はありませんので自動車用付属品のHS
に属する17部から除外されることは無いという結論になります。

そこで改めて第17部総説(III)にある自動車用付属品に含まれるものの要件
を確認します。

(a)この部の注2の規定により除外されているものでないこと
(b)86 類から 88 類までの物品に専ら又は主として使用するものであること
(c)この表の他の類において、より特殊な限定をしているものでないこと

(a)は先ほど確認しました、(b)は87類の自動車に主として使用する事が明らか
であり、(c)に関しては他の類をくまなく探さなくてはならないのでここを
立証するのは極めて手間のかかる作業ではありますが特に他の類に該当する
という事は無いという結論になります。

その為、アームレストは17部の自動車用付属品(HS8708.29)に分類される事に
なります。

 

関税監査官による事前教示

車用アームレストの品目分類は日本税関の事前教示に照会事例があり、
自動車用付属品に分類されました。

登録番号 116005445
税関 名古屋
処理年月日 20161125
一般的品名 自動車用アームレスト型カバー
税番 8708.29-000

貨物概要 自動車用コンソールボックスの上部トレイに取り付ける
アームレスト型カバー

性状:特定車種のコンソールボックスの蓋部分の上部トレイにはめ込み、
ベルクロファスナーで留めることができる。ベルクロファスナーが取り
付けられているサイドの耳には、カード収納ポケットを有する

材質:(表)PVC100%、(中)ポリウレタン100%、
(裏)ポリエステル100%

サイズ:縦400mm×横185mm×厚さ70mm

用途:車内アクセサリー
運転席及び助手席の間にあるコンソールボックスの上部トレイに
マジックテープで固定して使用

分類理由
本品は、自動車のコンソールボックスの蓋に取り付けるアームレスト
型カバーとして照会があった物品である。
本品は、その性状等から、特定車種の自動車のコンソールボックスに
適合した形状であると認められるため、関税率表第17部注3、
同表解説第17部総説(III)、同表第87.08項及び同表解説
第87.08項の規定により、自動車に専ら又は主として使用する
附属品として、上記のとおり分類する。

また、米国税関(CBP)においても似た事例がございますので
参考にしてください。

EPA関税削減の為の関税分類変更基準

関税分類変更基準においては非原産材料のHSコードと製品のHSコードは
できるだけ離れている方が原産地規則を満たしやすくなります。

本事例の場合、締約国での加工によって39類から87類にHSコードの頭2桁
が変更となる為、特恵関税率を適用するための関税分類変更基準を満たし
やすいと考えますが、アームレストをプラスチック製品の39類に分類
してしまうとHSは近くなってしまうため、(非締約国から調達した部品と
締約国内で製造した完成品のHSの頭数桁が同じになる)関税分類変更基準
において不利になる可能性があります。

また、アームレストを製造する際に使用する非締約国から調達した原料が
そもそも自動車部分品や付属品に分類される場合は関税分類変更基準を
満たさない可能性があります。

本事例では自動車付属品のHSコードに分類される事になりましたが、
自動車部分品や付属品であってもプラスチック製である場合は39類に
分類される品目もございますので注意が必要です。

Filed Under: 部分品の原産地規則

プラ製自動車内張品取付具のHSコードは部分品になるか

最終更新日2019年11月25日 By 河副太智 Leave a Comment

自動車部品として分類されるフロントピラー一式(HS8708.29)を製造する
際に使用するプラスチック製の「内張品取付具」をEPA非締約国から
調達する場合に、完成品であるフロントピラーが輸出先において
関税削減の対象となる締約国の原産品としてみなされるかどうかと
いう点について当該「内張品取付具」のHSコードが自動車の部分品
になるかどうかを検討してみます。

HSコード分類の際に検討する問題点

フロントピラーのHSコードが8708.29となる場合、「内張品取付具」が
当該フロントピラーの部分品となれば同じHSである8708.29に分類され
る可能性があります。

当該「内張品取付具」は製品であるフロントピラーに設置するように
設計されたものであるため、フロントピラーの部分品として分類する
と考えられるケースもあるかもしれませんが、そのように分類すると
HSコードが共通となる為関税分類変更基準においては不利な分類と
言える為、当該「内張品取付具」が自動車の部分品であるHS8708.29に
分類されるかどうかについて更に深く検討してみる必要があります。

 

通則と部注の規定からHSコードを特定

当該「内張品取付具」がフロントピラーの部分品になるかどうかは
フロントピラーのHSの属する17部の注規定を確認します。

17部の注2には

「部分品」及び「部分品及び附属品」には、次の物品を含まない。

という除外規定があり、その中の(b)に以下のような定義があります。

プラスチック製のこれに類する物品(第 39 類参照)

 

 

この規定を見ると例え自動車専用の部品であってもそれがプラスチック製
である場合はフロントピラーのHSの属する17部からは除外される場合も
あり得るという事になる為、39類の分類を確認すると「自動車用の取付具」
という分類を見つける事ができます。

 

 

その他HS3926.30に分類されるプラスチック製自動車用取付具イメージ
として以下のようなものがあります。

Bildnummer 1

Bildnummer 1

Bildnummer 1

出典:EU TAXATION AND CUSTOMS UNION

また、その他にも第17部総説(III)を見ると以下のような品目も
自動車部品に分類されないとの規定がございます。

装飾用のビーズストリップで製品にしたもの、ヒンジ、ドアの取手、
支え棒、足掛け及び窓開閉装置、ナンバープレート、国籍プレート等
(卑金属製の物品は 83 類に属し、プラスチック製のこれに類する物品は
39 類に属する。)

どれも自動車専用部品であるため、どうしてもHS8708の自動車部品に
分類するものかと考えがちですが39類のプラスチック製品に分類される
場合もございます。

 

関税監査官による事前教示

このような内張品取付具の品目分類は日本税関の事前教示に照会
事例があり、フロントピラーの部分品には分類されず、HSコード
3926.30 の「プラスチック製の車体用取付具」に分類されました。

登録番号 116005430
税関 横浜
処理年月日 20161118
一般的品名 プラスチック製車体用取付具
税番 3926.30-000

貨物概要
自動車の車体に内張品を固定するプラスチック製の部品

材質:ポリアセタール
製法:射出成形
性状:自動車の車体(フロントピラー)内板に内張品を固定する
プラスチック製の部品
サイズ:高さ28mm×幅20mm×長さ24mm
用途:自動車のフロントピラー内張品を固定する

分類理由
本品は、自動車の車体に内張品を固定するためのプラスチック製品であり、
その性状から、関税率表第15部注2の卑金属製のはん用性の部分品に類
するプラスチック製の取付具と認められることから、同表第17部注2
(b)の規定により、同表第17部から除外される。
したがって、本品は、プラスチック製の車体用取付具として、同表第
39.26項及び同表解説第39.26項の規定により、上記のとおり
分類する。

 

EPA関税削減の為の関税分類変更基準

関税分類変更基準においては非原産材料のHSコードと製品のHSコードは
できるだけ離れている方が原産地規則を満たしやすくなります。

本事例の場合、締約国での加工によって39類から87類にHSコードの頭2桁
が変更となる為、特恵関税率を適用するための関税分類変更基準を満たし
やすいと考えますが、「内張品取付具」をフロントピラーの部分品として
HS8708に分類してしまうとHSは共通となってしまうため、(非締約国から
調達した部品と締約国内で製造した完成品のHSが同じになる)関税分類変
更基準において不利になる可能性があります。

本当に自動車部分品のHSコードに分類されるのかどうか、他の類への分類
される余地の有無を検討する事は関税削減において非常に重要です。

 

Filed Under: 部分品の原産地規則

プロジェクター用光学ガラスのHSコードは部分品になるか

最終更新日2021年2月27日 By 河副太智 Leave a Comment

液晶プロジェクターを製造する際に当該プロジェクターの光学部品
として使用する光学ガラスをEPA非締約国から調達する場合に、
完成品が輸出先において関税削減の対象となる締約国の原産品として
みなされるかどうかという点について当該光学ガラスのHSコードが
プロジェクターの部分品になるかどうかを検討してみます。

HSコード分類の際に検討する問題点

プロジェクターのHSコードは8528となり、当該品目の部分品となれば
HS8529に分類される可能性があります。

当該光学ガラスは製品であるプロジェクター内部に設置するように
設計されたものであるため、プロジェクターの部分品として分類する
と考えられるケースもあるかもしれませんが、そのように分類すると
HSコードの頭2桁が共通となる為関税分類変更基準においては不利な
分類と言える為、本当に部分品に分類されるのかどうかについて更に
深く検討してみる必要があります。

 

出典:プロジェクターの技術と応用

 

通則と部注の規定からHSコードを特定

当該光学ガラスがプロジェクターの部分品になるかどうかは
プロジェクターのHSの属する16部の注規定を確認します。

16部の注1(m)には90類の物品が16部(85類)から除外されるという規定
となっている為、プロジェクターの部分品であっても16部(85類)から
除外される為、通則1の規定の部の規定に従う事によりHSコード8529の
プロジェクターの部分品には分類されません。

 

 

※上記のように規定されているとしても「90類=光学ガラス」と
即座に判断する事は非常に困難であるため、入念な調査によって
初めてこのような判断が可能になります。

関税監査官による事前教示

このような光学ガラスは日本税関の事前教示に照会事例があり、
プロジェクターの部分品には分類されず、HSコード9001.90の
「プリズム、鏡その他の光学用品」に分類される事になりました。

登録番号 116005487

税関 東京

処理年月日 20161124

税番 9001.90-000

一般的品名 光学材料部品

貨物概要 :偏光性を有する直方体状の光学材料部品

製法:光学用特殊プラスチックフィルムの両面にガラス製の三角プリズム
を接着してカットしたもの

形状:直方体 材 質:光学ガラス(99%以上)、特殊光学フィルム及び
アクリル系化合物(1%未満) サイズ:(縦×横)約5~15mm、
(長さ)約5mm~30mm

機能:直線偏光で入射された照明光を透過し反射させ、組み合わせて使用
する液晶パネルの偏光方向変換機能により照明光入射方向に対し90℃
向きを変えて出射させる

用途:小型液晶プロジェクター用光学部品として使用する

 

EPA関税削減の為の関税分類変更基準

関税分類変更基準においては非原産材料のHSコードと製品のHSコードは
できるだけ離れている方が原産地規則を満たしやすくなります。

本事例の場合、締約国での加工によって90類から85類にHSコードの頭2桁
が変更となる為、特恵関税率を適用するための関税分類変更基準を満たし
やすいと考えますが、光学ガラスをプロジェクターの部分品として分類し
てしまうとHSの頭2桁は共通となってしまうため、関税分類変更基準にお
いて不利になる可能性があるので本当に部分品のHSコードに分類されるの
かどうか、他の類への分類される余地の有無を検討する事は関税削減にお
いて非常に重要です。

※日本が締結しているEPAにおけるHS8528に対する品目別原産地規則は
CTH(HS4桁変更)で満たす事ができる為、2桁変更が必須という訳ではありません。

Filed Under: 部分品の原産地規則

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