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関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

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日豪EPAの原産地証明書(自己申告)

最終更新日2017年9月4日 By 河副太智 Leave a Comment

日本とオーストラリアは2015年1月にEPAの締約を結びました。
このEPAで注目すべき点は原産地証明書が自己申告となった事です。

通常EPAで使用する原産地証明書は商工会議所等第三者が
発給し、その原本を入手する必要がありましたが、
この書類自体を製造者、輸出者、輸入者が作成できます。

有利な点としましては通関にかかる時間が大幅に短縮される事です。

通常は原産地証明書の発給に時間がかかったり、
原本の入手にも時間がかかったり、
輸出者と輸入者間の意思の疎通がうまくいかず記載ミスへの対応
税関提出の為の通関業者への郵送が必要であったり
などなど

こういった煩わしさから解放されるという事が大きなメリットです。

現在2017年8月現在で自己証明の原産地証明書を使えるのは
日豪EPAのみです。

日豪EPA自己申告制度

※税関セミナースライドより引用

 

 

 

 

通常の原産地証明書を使用したEPA税率の適用手順は
以下のようになります。

原産地証明書提出までの流れ

〇生産者か輸出者が手配し、
輸出国の発給機関(日本の場合は商工会議所)が原産地証明書を発給

〇 輸出国の発給機関が貨物の輸出前に事前審査を行い
EPA税率の適正な適用を確保。

〇輸入者は、EPA税率を適用して輸入申告する際に原産地証明書を
輸入国の税関あてに提出する。

 

 

 

 

自己申告の場合は以下のような流れになります。

日豪EPA自己申告フロー

〇 生産者、輸出者、輸入者は原産品申告書の作成が可能。

〇輸入者は、EPA特恵税率を適用して輸入通関時に
原産品申告書のほか、原産品であることを明らかにする書類
(「その他の書類(明細書等)」)を輸入国の税関に提出する。

〇輸入通関時に輸入国税関の審査と輸入の許可後の
事後確認を行い、EPA税率の適正な適用を確保する。

 

 

書類作成の時間も短縮し、通関時審査の時間も短縮でき、
書類原本の税関提出も不要(コピーをPDF等で提出可)
いいことづくめのようにも見えますがリスクもあります。

 

商工会議所のチェックが入らないという事は問題があった際は
輸入者が全責任を負う形になりますので
自己申告をされる際は原産地規則の知識が必要となり、
確実にEPA税率が適用できる貨物である事をよく確認しなくては
なりません。

 

自己申告においては通関時の審査よりも
通関後の事後調査という形での審査に重点が置かれます。

通関時はスムーズに通り、後で面倒になる形です。

 

事後調査では以下のように税関から要請があります。

(イ) 輸入者に対し、
貨物が原産品であることを示す情報を要請/質問検査。

(ロ) 輸出締約国の発給機関又は税関当局に対し、
原産性の事後確認のための情報を要請。

(ハ) 輸出者や生産者に対し、
貨物が原産品であることを示す情報を要請。

(ニ) 輸出者や生産者の施設に
原産性の事後確認のための訪問を実施。

(注)上記(イ)~(ニ)までの事後確認手続に優先順位はない。

 

日本の税関がオーストラリア税関に問い合わせや
現地の輸出者、製造者を直接訪問する事ができます。

逆に日本から輸出する場合はオーストラリア税関が日本の輸出者
あるいは製造者を訪問する事もあり得るという事です。

そこで求められた情報を提供しない、できない場合は
EPA税率の適用が否認され、修正申告、過少申告加算税、延滞税の
対象になり、巨額の税金を徴収される恐れがあります。

 

以上を踏まえ、当サイトで原産地規則を学んで頂き
自己申告に活用して頂ければ幸いです。

ご不明な点はございますか? EPAやHSコード等通関全般についてご質問頂ければ
関税削減.com運営者で元通関士の私河副が直接回答致します。
フォームからご連絡頂ければ税関や通関業者にはなかなか聞けない事、
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Filed Under: FTA/EPA Tagged With: オーストラリア, 事後調査, 修正申告, 原産地規則, 原産地証明書, 延滞税, 日豪EPA, 経済連携協定, 自己申告, 自由貿易協定, 過少申告加算税, 関税

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