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関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

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ベトナム

ASEAN+1の関税削減の抜け道

最終更新日2017年11月15日 By 河副太智 Leave a Comment

複数のASEAN+1を選択し、どの税率が一番関税削減に有効かを調べ
一番条件の良いFTAを探してうまく関税削減ができた事例を紹介します

この情報は「日本企業のアジアFTA活用戦略(文眞堂)」から引用
させていただきます。

 

とあるバイクメーカーがベトナムにてバイクを製造し、
タイに向けて輸出の計画を立てており、AFTAを使用した関税率を
調べたところHSコード8711.2059のバイク(125CC)のAFTA特恵関税率は
0%という事でしたが、実際この関税率は適用できないという事態に
陥ってしまいました

なぜかというとAFTAの規定はATIGAの協定文のルールに拘束され、
ATIGAには以下のような規定があります。

 

Article 22
Enjoyment of Concessions
1. Products on which tariffs of the exporting Member State have
reached or are at the rate of twenty percent (20%) or below, and satisfy
the requirements on rules of origin as set out in Chapter 3 shall
automatically enjoy the concessions offered by importing Member
States as stated in accordance with the provisions of Article 19.

 

これはASEAN間の輸出入貨物の特恵関税適用ルールであり
ASEANからASEANに輸出し、輸入時にAFTAの特恵関税を受けるには
輸出する貨物に対する輸出国の関税率が20%以下でなければ
相手国にてAFTAの特恵関税率の適用ができないという意味です。

 

今回紹介する事例はベトナムからタイへのAFTAの特恵関税を
使用する事になりますが、ベトナムでのバイクの関税率は75%です。

輸出国での該当貨物の関税率が20%以下のものだけが対象ですので
ベトナムにて関税率75%のバイクはAFTAを使用しても
特恵関税の適用対象にはならないという事です。

このルールをATIGA協定文から探しだして貿易スケジュールを立てる
ことは非常に困難かと思われます。

これを知らずしてAFTAを使用して実際にタイに輸出してしまうと
タイの通常の関税率60%が課されてしまうという恐ろしい事態になります。

 

このバイクメーカーがとった策略はベトナムからタイ向けの
輸出貨物に対し、ASEAN+1のうちの一つAANZFTAを使用しました。
AANZFTAとはASEANとオーストラリア、ニュージーランド間で
使用できる包括FTAです。(ASEAN+1というよりは+2ではありますが)

AFTAの代わりにこのFTAを使用してベトナムからタイへ輸出するという
方法に切り替えればAFTA(ATIGA)の規定は適用対象外となりますので
予定通り関税0%でタイ側が輸入する事ができます。

 

ASEAN域内でのAFTA以外の包括FTAも同時に検討すれば
このような抜け道を見つける事ができるかもしれませんので
ASEAN間の貿易の場合は同時進行でASEAN+1も検討してみてください。

 

ちなみにATIGAの20%ルールですが、輸出前にこれを協定文から
探し出す事は困難である事から、トラブルの防止策としては輸入国に
事前に確認する事や相手国のHSタリフを確認する事で防ぐことが
可能になります。

 

例えば上記の例にあるバイクですがタイのHSタリフを見てみると
以下のような記述があります。

 

AFTAタイ、ベトナム

 

HSコード8711.209500(バイク)に対する関税率はAFTA間では
関税0(Exempted)とありますが、リストの下に赤字で
The tariff of the exporting Member State have reached or
are at the rate of twenty percent (20%) or belowと注意書きがあります。

こちらを事前に確認できれば上記のようなトラブルは事前に防げます。

どのような貨物であっても例外規定が存在するケースは
多々ありますので事前確認は怠らないように注意が必要です。

Filed Under: 原産地規則実例 Tagged With: aanzfta, AFTA, ATIGA, exempted, タイ, ベトナム

ベトナム国家主席がTPP11大筋合意決意

最終更新日2017年11月8日 By 河副太智 Leave a Comment

2017年11月7日茂木経済再生相はベトナム・ハノイにて
チャン・ダイ・クアン国家主席と会談をし、クアン氏がTPP11について
大筋合意への決意を表明したとの事で交渉はまた前進したようです。

茂木氏は記者団に対し、「国家主席から必ず大筋合意をしたい」という
意思表明を受けたと報告をした模様です。

上記の事からベトナムはTPP11に対して積極的である事がわかりますが
前回紹介した繊維製品に対する原産地規則に関しての問題はまだ
残っている為、まずはこの部分をどうにかしないと
大筋合意までの道のりは暗礁に乗り上げる可能性があります。

 

TPPの原産地規則は基本的には全国一律ではありますが
特定の国だけに通用する原産地規則の例外措置を設定する事は
可能かと思われます。

 

例えばTPP協定文内の繊維製品の原産地規則には以下のように
日本の伝統的な着物、帯に例外措置があります。

 

 

 

 

日本向けの着物、帯に関しては他国とは異なる日本独自の原産地規則が
設定されており、他国の物よりも厳しい「ファブリックフォーワード」
による製造が必須です。

 

ニュージーランド政府によるTPP協定文ANNEX 4-A – 12を見ると
以下のような記述があります。

 

Chapter Note 4:
Notwithstanding the textile and apparel specific rules of origin set out in this
Annex, the traditional Japanese garment, kimono, or garment accessory, obi,
satisfying the following requirements, is an originating good, provided that the
good is made with fabrics produced in the territory of one or more of the Parties,
and is both cut and sewn or otherwise assembled in the territory of one or more of
the Parties.

 

日本に対して輸出する着物、帯に特別な原産地規則があるなら
ベトナムにも特別な原産地規則を設定しろと言われるかもしれませんね。

 

Filed Under: NEWS Tagged With: EPA, FTA, TPP11, TPP協定文, ベトナム, 原産地規則, 帯, 着物, 経済連携協定, 繊維製品, 自由貿易協定, 関税

TPP再度大筋合意へ進展

最終更新日2019年8月19日 By 河副太智 Leave a Comment

環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する11か国の交渉官会合が終わり、
アメリカ抜きの大筋合意に向かって進展があったようです。

アメリカにとって強みのあるバイオ医薬品を独占販売できる
データ保護期間やその他いくつかのアメリカ優勢なルールに関しても
凍結という事で各国の意見が一致しているようです。

今後のアメリカ参加への期待は失われていないと思われますので
アメリカに動きがあればこの「凍結」は解除に至る可能性が
高いと思われます。

更にTPPの発行条件を緩和する方向で話が進んでおり、
「各国のGDPの合計の85%以上を占める6カ国が国内手続きを終える」
という条件は事実上廃止となります。

 

ニュージーランドの新政権はTPPに対して慎重な姿勢でしたが
現在はTPP参加への意欲を示しているようで、
現時点で最大の難点はほぼ解決に向かっているようです。

しかし、引き続きベトナムから繊維製品に対する
原産地規則の緩和要求の問題はまだ依然として残っております。

ベトナムとしては主力の繊維製品輸出拡大の為、
輸出先での関税削減を求めているようですが
協定参加国の多くはこの主張には反対しているようです。

 

TPPにおける繊維製品の原産地規則は厳しく、
以下の3つがその大部分を占めます。

■締約国内にて調達した繊維原料からの製造が求められる
「ファイバーフォワード」

■紡ぐ、織る、縫製、という3つの工程を
原則TPP締約国内において行う事が求められる
3工程ルール:「ヤーンフォワード」

■生地にする工程からTPP締約国内での工程が求められる
2工程ルール:「ファブリックフォワード」

 

 

簡単に言えば糸、生地をTPP加盟国以外の国から調達ができない
品目が多いという事です。

 

 

TPP繊維製品 原産地規則 ファイバーフォワード ヤーンフォワード ファブリックフォワード

※JETRO資料より引用

 

 

 

 

 

ベトナムは糸・生地生産基盤が弱い為、
このような原産地規則があると輸出先での関税削減が思うように
いかない事が原因です。

 

 

ヤーンフォワード・ルール

※税関セミナー資料より引用

 

「TPP協定文」へのリンク 繊維製品に対する原産地規則は4章をご覧下さい。

 

 

 

Filed Under: NEWS Tagged With: 2工程, 2工程ルール, 3工程, EPA, FTA, HSコード, TPP11, アメリカ, ニュージーランド, ファイバーフォワード, ファブリックフォワード, ベトナム, ヤーンフォワード・ルール, 中国, 品目別分類規則, 大筋合意, 実質的変更基準, 経済連携協定, 自由貿易協定, 関税, 関税分類変更基準

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