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関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

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2次製品

付加価値基準総論5 トレーシング

最終更新日2016年12月25日 By 河副太智 Leave a Comment

付加価値基準総論4の続きです。
今回はトレーシングについて解説します。

特恵受益国で生産された貨物であって、
その1次材料も同じく特恵受益国で生産されており、
その原料の2次材料が第三国から仕入れたものであっても
実質的変更基準を満たして1次材料になっていれば
特恵受益国の生産品として認められると前回の記事で説明しました。

では2次製品の原料が実質的変更基準を満たしていなかったら
完全に非原産材料としてカウントされるのでしょうか?

 

まずは以下の図をご覧ください。


※税関セミナースライド43Pより引用

上記図の左側下の赤点線で囲まれた部分にある
非原産材料価格80というのは2次製品で矢印の先(特恵受益国)に移動して
原産材料の価格10が付加され、更に生産コスト10が付加され、価格100の
1次製品となりました(大部分を非原産材料の2次製品で構成されている)

これによりトータル価格は100となりますが、100の内80は非原産材料で
20だけが特恵受益国での付加となりますので、
原産地資格割合(QVC)を計算すると20%しかありませんので
この1次製品は特恵受益国の原産品としては認められない事になります。

 

しかし、これに対する救済規定がトレーシングという物です。
この救済規定を使用すると1次製品に付加された
原産材料の10と生産コストの10だけを1次製品から切り離して
特恵受益国の生産品としての計算が可能となります。

 

僅かな違いではありますが
最終的な付加価値基準の計算に差が出てきます。

以下の例は最終製品のFOB価格が500として
非原産材料100と上記で説明した非原産材料100(トレーシングで80)を
使用した付加価値基準の計算式です。

 

 

 

トレーシング無しだと非原産材料の一部が100になっている部分が
トレーシング有りだと非原産材料の一部が80になっております。

 

それにより最終的な原産資格割合が60%か64%かで変わります。

トレーシングの使い方を知らないと僅かな差で
原産品として認められないケースなども出てしまうかもしれませんので
ご注意ください。

 

Filed Under: FTA/EPA, 一般特恵関税 Tagged With: 2次原料, 2次製品, EPA, FTA, GSP, トレーシング, 付加価値基準, 原産地証明書, 原産資格割合, 実質的変更基準

「原産材料のみから生産される産品」とは

最終更新日2019年11月1日 By 河副太智 Leave a Comment

原産品には次の3類型があります。

1.完全生産品
2.原産材料のみから生産される産品
3. 実質的変更基準を満たす産品

これらの違いが分かりにくいという方の為に
税関セミナースライドを使用して解説を行います。

 

今回は2番目の原産材料のみから生産される産品について説明します。

“原産材料のみから生産される産品”は英語で”Produced Entirely”となり
原産地基準の記号は”PE”となり原産地証明書の8欄目に記載されます。

上記の例ではA国にて製造されたカップ麺となっており、
こちらの原料(麺と野菜)は同じくA国内にて調達された物です。
つまりA国内の原産材料から製造されているのでA国の原産品となり、
実質的変更基準や品目別分類規則を気にする事なく
A国の製品という事でA国発行の原産地証明書が使えるわけです。

しかし、麺の原料である「穀粉」はB国から輸入されています。
これが実質的変更基準を満たす必要があるものなのかどうか混乱します。

この場合1次製品と2次製品という枠組みで考えればシンプルになります。

麺と野菜は上記の図で言えば1次製品になります。
穀粉は1次製品の麺の原料なので2次製品になります。

〇1次製品がA国産であれば実質的変更基準や品目別分類規則は
気にする必要がありません。

〇2次製品がB国産の場合は非原産材料となりますので「穀粉」は
実質的変更基準や品目別分類規則に従ってA国内にて加工される
必要があります。
(上記例の場合「穀粉」は「麺」に加工されているので
実質的変更基準を満たすと考えます。)

 

このような「原産材料のみから生産される産品」に関しては
2次製品がどのようにして締約国内にて原産地規則を満たしたのか
証明を求められる場合がございます。

関税分類変更基準を満たしたのであればどのHSからどのHSに
変更したのか。
付加価値基準を満たしたのであればその価格構成の立証が
必要になりますのでこれらの情報を確実に把握し、いつでも
これらの証明を税関に提出できるよう準備が必要です。

Filed Under: FTA/EPA, 一般特恵関税 Tagged With: 1次製品, 2次製品, EPA, FTA, GSP, 事後調査, 原産地基準の記号, 原産地証明書, 品目別分類規則, 実質的変更基準, 関税

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