• Skip to primary navigation
  • Skip to main content
  • Skip to primary sidebar

関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

  • 電子書籍で読む
  • HSコードとは
  • 記事一覧
  • 著者紹介
  • English
  • 運営者によるサポート
※効率的に関税削減を行うための図解マニュアルは こちらからダウンロード。

「車用サンシェード」のHSコード分類法

最終更新日2020年6月25日 By 河副太智 Leave a Comment

「車用サンシェード」のHSコード分類は構造や材質によって、「繊維製品
に該当するHSコード」や、「自動車の部分品」など複数の分類先があります。

用途は同じであるにも関わらず、複数のHSコードに分類されてしまうと
分類する側に混乱を生じさせてしまうという問題やサプライチェーン上
でのEPAを適用した関税削減への悪影響が考えられます。

そこで、本記事では「車用サンシェード」のHSコード分類事例を種類別
に紹介し、様々な事例を通じてHSコード分類先の手がかりになる情報を
お伝えします。

目次

  • 日本税関によるHSコード判例
    • 日本税関判例:カーテンに分類された事例
    • 日本税関判例:自動車部品に分類された事例
  • 諸外国税関によるHSコード判例
    • ドイツ税関判例: Sunblind
    • フランス税関判例: CURTAINS FOR MOTOR VEHICLES
    • ドイツ税関判例: Sun protection
    • スペイン税関判例: Sunshade
  • HSコード分類最終見解
  • 関税削減の為の戦略的HSコード分類
        • 関税削減.comニュースレター登録フォーム

日本税関によるHSコード判例

「車用サンシェード」のHS分類判例の一部を紹介します。
(※本記事中の「判例」とは裁判所の判決ではなく税関による「判断事例」を指します。)

日本税関判例:カーテンに分類された事例

登録番号 110005716
税関 名古屋
処理年月日 2010-12-17
サンシェード(自動車用ブラインド)
HSコード:6303.12(分類当時のHSバージョン)

貨物概要:
合成繊維製メリヤス編地からなる自動車の車内用ブラインド
性 状:樹脂とアルミニウム製のケーシング、芯材から成り、合成繊維製
編地のスクリーンを巻きつけて、手動で上げ下げするもの。
素 材:合成繊維製たてメリヤス編地、アルミニウム等
用 途:輸入後、自動車に取り付け、サンシェードとして使用する。

分類理由:
本品は、合成繊維製メリヤス編地からなる自動車のリアドアに使用される
室内用ブラインドである。 本品は、関税率表第87類の自動車専用の部分
品及び附属品として使用するものであるが、同表第63.03項の紡織用
繊維製の室内用ブラインドと認められるものであり、同表解説第17部総説
(III)(c)の条件を充足せず、同表第87類から除外される。 したがって、
本品は、同表第63.03項及び同表解説第63.03項(2)の規定によ
り合成繊維製メリヤス編みの室内用ブラインド(模様編みの組織を有するも
の)として上記のとおり分類する。

出典:税関事前教示事例を一部加工して作成

見解:
当該品目は自動車用のサンシェードとして使用されるものですが、17部総説
(III)(c)の条件を充足しないという理由で自動車部品のHSから外れる事に
なりました。17部総説(III)(c)とは「この表の他の類において、より特殊
な限定をして記載をしているものでないこと」と規定されており、「カーテン」
という分類の方がより特殊な限定であると判断された事例です。

 

日本税関判例:自動車部品に分類された事例

登録番号 112000267
税関 東京
処理年月日 2012-06-22
自動車用サンシェードシステム
HSコード:8708.29(分類当時のHSバージョン)

貨物概要:
乗用車向け手動式サンシェードシステム
性 状:サンシェード(模様編みの合成繊維製メリヤス編地)は自動車の車体に
恒久的に組み込まれドアトリムの一部を構成する。(使用されない状態では、
ドア内に収納)。ドアの窓枠下部のつまみを引き上げて窓上部のフックに取り付
けて固定する。使用後は、フックから外すとスプリング機構(内蔵されたゼン
マイ)によりシェードがドアパネル内に取り付けられたカセットのローラーシ
ャフトに巻き戻される。
素 材:卑金属(カセット部、ローラーシャフト、スプリングモーター)、プラ
スチック(カセット上部、エンドキャップ、エクステンションプロファイル、
つまみ)、紡織用繊維(サンシェード)
用 途:輸入後、自動車製造工場で自動車に取り付けサンシェードとして使用す
るための機能ユニット。

分類理由:
本品は、サンシェードの巻取・格納装置を構成する金属製のスプリングモータ
ー付ローラーシャフト、金属・プラスチック製カセット、プラスチック製のエ
ンドキャップ及びプラスチック製のエクステンションプロファイル、つまみ、
紡織用繊維製サンシェード等から成るもので、特定の車種に専用設計されてた
ものである。 当該巻取・格納装置は特定の車種のドアパネル内に組み込み、
取り付けられるものであること及び当該巻取・格納装置を構成するカセット
上部はドアトリムの一部を構成し、車の内装と調和するようデザインされて
いるものであることから、関税率表第63類総説で許容される少量の附属品
と認められないことから、同表第63.03項には該当しない。 したがって、
本品は、同表解説第17部総説(III)の(a)から(c)の条件を充足
することから、同表第87.08項及び同表解説第87.08項の規定によ
り、自動車用の部分品及び附属品として、上記のとおり分類する。

出典:税関事前教示事例を一部加工して作成

見解:
本事例は先ほどの登録番号 110005716の事例とは異なり、自動車部品のHS
コードに分類される事になりました。
その根拠としましては自動車の車体に恒久的に組み込まれドアトリムの一部
を構成するという点にあると考えられます。

サンシェードは紡織用繊維の製品であるという理由のみで繊維製品のHS
コードに分類されるわけではないという事が分かります。

 

諸外国税関によるHSコード判例

ドイツ税関判例: Sunblind

登録番号 DE22021/14-1
税関 ドイツ
処理年月日 2015-01-21
一般的品名 Sunblind
HSコード 6303.12(分類当時のHSバージョン)

自動車用サンシェードとして使用される品目(高さ 45 cm 幅 50 cm 厚さ 0.3 mm)
当該品目はカーテンに分類されています。

出典:European Commission

 

フランス税関判例: CURTAINS FOR MOTOR VEHICLES

登録番号 FR-PRO-2007-000391-02
税関 フランス
処理年月日 2008-09-25
一般的品名 CURTAINS FOR MOTOR VEHICLES
HSコード:6303.12(分類当時のHSバージョン)

画像は収納した状態ですが、広げると高さ74CMになります。
こちらもカーテンに分類されました。

出典:European Commission

ドイツ税関判例: Sun protection

登録番号 DEB/775/08-1
税関 ドイツ
処理年月日 2008-04-07
一般的品名 Sun protection
HSコード 8708.29(分類当時のHSバージョン)

当該品目は自動車用のポリエステル製サンシェード(38 x 65 cm)と
なりますが、リアサイドウィンドウサイズに適合するように設計されている
という事で自動車用部品のHSコードに分類されました。

出典:European Commission

スペイン税関判例: Sunshade

登録番号 ES-2013-000327-0127/13
税関 スペイン
処理年月日 2013-05-17
一般的品名 Sunshade
HSコード 8708.99(分類当時のHSバージョン)

当該品目はアルミと紙製ボードからなるサンシェード(110CM X 60 CM)です。
こちらは繊維製品ではありませんのでそもそもカーテンへの分類を検討する
必要は無く、自動車用部品及び付属品として分類されました。
※車体の部品(HS:8708.29)ではなく、その他の自動車付属品(HS:8708.99)に分類。

出典:European Commission

HSコード分類最終見解

自動車用サンシェードの分類事例はこの他にも多数ありますが、材質分類で
あったり自動車部品への分類であったり非常に様々なケースがあります。
各国の税関による見解も様々で、意見が衝突する部分も多いと考えられる分野
かと考えますので慎重な検討が必要です。

関税削減の為の戦略的HSコード分類

EPA非締約国から”繊維”を調達し、
EPA締約国Aにて「サンシェード」を完成させ、
EPA締約国Bに輸出する場合は”繊維”と「サンシェード」のHSコードの
分類先によって関税削減の対象になるかどうかが決まります。
(※CTCの場合、原料と製品のHSが離れていればいるほど有利になる為)

このようにしてEPA締約国である輸出先との間で締結しているEPA規則
に沿って製造工程を検討し、かつ輸入国の税関がそれぞれの部分品と
最終製品のHSコード分類先をどう判断するか、交渉の余地はあるのか等
を考慮する事により、効率的な関税削減が実現できます。

一つの国の判断に縛られる事なく、世界の税関の判断事例を広く
把握する事がEPAを適用した関税削減に重要な考え方になります。

ご不明な点はございますか? EPAやHSコード等通関全般についてご質問頂ければ
関税削減.com運営者で元通関士の私河副が直接回答致します。
フォームからご連絡頂ければ税関や通関業者にはなかなか聞けない事、
今更聞きづらい初歩的な事など幅広く対応させていただきます。

また、関税削減に必要な情報の一覧は関税削減.comTOPページをご覧下さい。


■関税削減マニュアルpdf版を無料配信中。
関税に関する法令や協定は日々変化が著しく、常に最新の情報を得る事は困難です。
関税削減.comでは関税に関する重要なお知らせをメールにて無料配信しております。
登録して頂くとamazonで販売中の関税削減マニュアルのpdf版(約500ページ)を
無料で提供させていただきます。
ニュースレター解除はいつでも可能であり、大量のメール配信は行いませんので
是非登録をお願いします。

関税削減.comニュースレター登録フォーム

受信ボックスか迷惑メールフォルダを確認して購読手続きを完了してください。

関税削減.comのコンテンツは電子書籍での閲覧が可能です。
複雑な法令等を素早く調べたい場合に非常に便利です。

Filed Under: HSコード, 各国税関による分類事例, 自動車部品

関連記事一覧

ニッケルの粉の関税を削減する実例

FTAを適用してニッケル粉末の関税を削減する実際のケース 導入 輸入者Aは、FTA締約国である英国からニッケル粉末を輸入することを検討しています。ニッケル粉末は、非締約国から調達された原材料を使用して英国で製造されていま […]

靴の関税を削減する実例

FTAを使用した関税削減の可能性 輸入国Aの商社がFTA締約国であるカンボジアから履物を輸入しようとしています。当該履物はカンボジアにて製造され、履物を製造する際、カンボジア内にて調達した各種原料とFTA非締約国から調達 […]

飴の関税削減事例

  事例 輸入国Aの商社がFTA締約国であるB国から砂糖菓子を輸入しようとしています。 当該砂糖菓子はFTA締約国B国にて製造される。砂糖菓子を製造する際、締約国B内にて調達した砂糖と水飴とFTA非締約国から調 […]

インドにおける各種輸出入法令に関するアドバイザー紹介

インドとの貿易取引を行う場合、輸出入規制やHS分類、FTA/EPA等において 悩む事が多い事かと存じます。 他の国々と比較してインドの制度はわかりにくい部分も多く様々な混乱が発生する為、 情報収集をしたところ、非常に誠実 […]

バッグ(鞄)のHSコードに対する画像一覧

HS:4202.11 – トランク、スーツケース、携帯用化粧道具入れ、エグゼクティブケース、書類かばん、通学用かばんその他これらに類する容器 –外面が革製又はコンポジションレザー製のもの HS:4 […]

Reader Interactions

コメントを残す コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

Primary Sidebar

  Linkedinはこちら  

関税削減.comのニュースレターに
登録して頂くと関税削減マニュアル
pdf版(約500p)が無料になります。
解除はいつでも可能です。

関税削減マニュアルを無料で受けとる

受信ボックスか迷惑メールフォルダを確認して購読手続きを完了してください。



■著者:河副 太智について

■ご質問に回答します。

おすすめの記事

■日EU原産地申告書作成方法
■TPP原産品申告書作成方法
■世界の関税率を直接検索
■税関の事後調査は怖い?
■輸出国税関から調査要請
■関税評価と事後調査
■関税率の調べ方
■世界のFTA/EPA協定文を検索
■HSをネット検索する方法
■日本と海外はHSが違う?
■原産地記号一覧
■ 英語版FTA/EPA学習コース
■全記事一覧

新着記事

  • ニッケルの粉の関税を削減する実例
  • 靴の関税を削減する実例
  • 飴の関税削減事例
  • インドにおける各種輸出入法令に関するアドバイザー紹介
  • バッグ(鞄)のHSコードに対する画像一覧
  • 3DアートペンのHSコードは8516か8477のどちらに分類?
  • ローラースケートプロテクターのHS分類は付属品になるのか
  • ケース、箱、容器のHSコード分類法
  • 吊り棚のHSコードは9403(家具) か 6307(繊維製品)か?
  • 税関事後調査情報は税務署にも繋がっている
  • 税関事後調査でEPA適用が取り消されるケース
  • 税関事後調査でHSコードの誤りから追徴課税になるケース
  • おもちゃのHSコードはどう決まる?(貯金箱の事例)
  • 税関から「会社概要の照会について」が来たら要注意
  • 税関から「会社概要のお伺い」が来たら要注意
  • 税関から「会社概況調査のご案内」が来たら要注意
  • トレッキングポールは「杖」HS:6602に分類される?
  • 元税関職員が語る事後調査を回避する方法
  • 過去の税関輸入事後調査の状況
  • RCEP詳細
  • プールラウンジャーのHSコード分類判例
  • 自動車用アイススクレーパーはHS3926かHS8708か?
  • 部分品と付属品の定義
  • 小売用セットか分離課税か?(オーディオアクセサリー)
  • 国によって異なるHSコード分類解釈
  • コロナ関連医療機器のHSコード一覧
  • 日EU・EPAでREXナンバーの記載は必要か
  • 化学品HSコード分類フローチャート
  • 有機化合物の化学式画像によるHSコード分類表
  • 通商法301の追加関税対象製品をHSコードで検索
  • 中国製品に特恵関税率を適用(RCEP原産品申告書例)
  • コロナ対策品目のHSコード一覧
  • 利用規約の英語版テンプレートを簡単に作成する
  • 税関審査官によって異なるHSコード分類
  • 靴のタリフエンジニアリング(アメリカ向け)
  • 汎用品に分類されるHSコードとサンプル画像一覧
  • 企業が安価輸入品から利益を守るアンチダンピング関税発動法
  • アンチダンピング関税で不当安価な輸入品から利益を守る
  • プラ製自動車部品のHSコードはどう分類する?
  • 日EU・EPA運用における意見相違
  • 日米貿易協定
  • EPAの仕組みを英語で解説して取引先に理解させる
  • 材質分類か用途分類か
  • HS分類の「改正」なのか分類ミスの「訂正」だったのか?
  • 小売り用セット品目のHSコード分類法
  • 関税率表解説の”通常”や”例えば”という文言の解釈
  • HS分類ミスによる追徴課税
  • 口頭事前教示申請でHSコードの分類を行う
  • 部品メーカーが直面する原産地証明への対応
  • ボルトとねじのHSコード分類法

カテゴリー

  • FTA/EPA
    • CTC実例
    • RCEP
    • 原産地規則実例
    • 日EU・EPA
    • 検認、事後確認
  • HSコード
    • HS分類判例
    • タリフエンジニアリング
    • 各国税関による分類事例
    • 意見相違
    • 自動車部品
    • 部分品の原産地規則
  • NEWS
  • WEB集客
  • ツール
  • 一般特恵関税
  • 中国
  • 未分類
  • 特殊関税
  • 税関事後調査
  • 解説書
  • 貿易通関統計
  • 通関英語
  • 関税法
  • 関税評価

旧HS2002,2007,2012へ変換

Copyright © 2025関税削減.com
当サイトの掲載情報を利用することで生じたトラブル及び損害に対しては一切責任を負いません。