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関税削減.com【EPA適用HSコード解説】

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小売り用セット品目のHSコード分類法

最終更新日2020年8月29日 By 河副太智 Leave a Comment

輸出入品目の中には複数の品目が一つのセットになっていることもあります。

例えば以下のような散髪器具4点が小売り用にセットになった品目の場合、HSコードは
どのように分類されるのでしょうか。

 

出典:HARMONIZED COMMODITY DESCRIPTION and CODING SYSTEM or HARMONIZED SYSTEM(HS) & ASEAN HARMONIZED TARIFF NOMENCLATURE(AHTN)

品目の内訳は
ヘアクリッパー(HS8510)、くし(HS9615)、ハサミ(HS8213)ブラシ(HS9603)となり、
その中でどの品目がセット品に対する重要な特性を与えているかがHS分類基準となります。

本事例ではヘアクリッパーが重要な特性を与えている事になると判断され、HSコード8510の
ヘアクリッパーに分類されることになりました。

もし、ハサミが非常に高価なものでかつ、散髪という目的を遂行するのに重要な要素を
持っていると判断されればハサミ(HS8213)に分類される可能性もあるかもしれません。

 

もう一つ事例を紹介します。

以下のようにスキンケア製品、マット、おむつ、お尻ふき、布製収納ケースが
一つになったような場合はどのようにHSコードの分類を行うのでしょうか。

出典:European Commission

先ほどの散髪器具とは異なり、何がセット品の中で重要な特性を持つのかを判断する事が
非常に困難な事例であると考えます。

本事例では複数の品目を収納する布製収納ケースが重要な特性を持つと判断され、携帯用
化粧道具入れ等(HS:4202.92)に分類される事になりました。

目次

  • 小売り用セット品目分類根拠
  • 小売り用セット品目として分類できない事例
  • 小売り用セット品目をEPA関税削減対象にするには
        • 関税削減.comニュースレター登録フォーム

小売り用セット品目分類根拠

小売り用セット品目の分類根拠は通則3(b)(Ⅹ)において以下のように定義されています。

この通則の適用上、「小売用のセットにした物品」とは、次の物品をいう。
(a)異なる項に属するとみられる二以上の異なった物品から成るもので、
(b)ある特定の必要性を満たすため又はある特定の活動を行うため、
共に包装された産品又は製品から成り、かつ、
(c)再包装しないで、最終使用者に直接販売するのに適した状態に包装されている物品

上記で紹介した散髪用具とおむつセットを当てはめていくと
(a)散髪用具セットもおむつセットも異なるHSに分類される品目の集まりであり、
(b)散髪、おむつ交換という特定の活動のために共に包装されており、
(c)画像ではわかりませんが全ての品目が一つに梱包され、そのまま消費者に提供される
形で輸入されている

という形で通則3-(b)(X)の要件を満たしているため、セット品のうちの一つを代表にして
HSコードの分類が行える形になります。

小売り用セット品目として分類できない事例

以下の事例はポケットナイフと腕時計が小売り用セットとして輸入された品目です。

Source:CBP

本事例の場合は小売り用セット品目としては認められません、なぜならば先ほどの
通則3(b)(Ⅹ)の(b)の要件であるある特定の必要性を満たすため又はある特定の活動を
行うため、
共に包装された産品を満たしていないと考えるためです。

ポケットナイフと腕時計の2つを使って何か一つの目的を達成するというのはなかなか
考えにくいものであるため、本事例の品目は小売り用セット品目とはみなされず、
ポケットナイフと腕時計をそれぞれ分離課税対象として、2品目の申告となります。

小売り用セット品目をEPA関税削減対象にするには

小売り用セット品目をEPA締約国から輸入し、関税削減の対象とする場合、各EPAの
規定によって微妙に取り扱いが異なる部分がありますが、基本的にはセット品目全てが
原産地規則を満たす必要があると考えていた方がよいでしょう。
(※協定によりますがセット品の一部が非原産であっても価格構成によってはセット品目
全体を原産品として扱う救済規定があるEPAもあります。例:日メキシコ、日ぺルー、TPP等)

そのため小売り用セット品目をEPA関税削減対象とする場合にはセット品目一つ一つの
原産性を確認する必要が出てくるため非常に手間になる可能性があります。

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Filed Under: 各国税関による分類事例, 意見相違

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