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関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

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オーストラリア

原産品申告明細書を英語で書くには

最終更新日2020年1月1日 By 河副太智 4 Comments

TPPや日EU・EPAを活用して関税削減を行う場合は輸出入者、製造者が
自身の責任において作成する「原産品申告書」が必要になり、
今後のFTA/EPAもこのような制度が主流になっていくと考えられております。

これまでのFTA/EPAでは第三者発給機関である商工会議所が発行する
原産地証明書を使用して関税削減を行っておりましたが、
TPPや日EU・EPAでは商工会議所が発行する原産地証明書は使用できず、
輸出入者、製造者等自身にて作成する原産品申告書の提出をもって
特恵関税の恩恵を得られる制度になっております。

その為、これからの関税削減手段を確実なものにしていくためには
通関用語の英語を理解し、文章にして原産性を証明する必要があります。

 

実際に英語が求められるのはいつ?

輸出であれば通関用語を含む英文にて原産地規則を満たす理由を記述。
輸入であれば英文による製造工程を理解し原産地規則を満たすかどうかの判定。
を行う必要があります。

実際の通関の場面では原産品申告書は求められても原産品明細書まで求められない
ケースもあり、そもそも英語で原産品判定の文書を書く必要が無いとも思われますが
審査官によって要求のレベルが異なる場合もある上、事後調査や検認においては
詳細な製造工程等を求められる事になりますので、この場合は原産品明細書等の
提出が必須になると考えられます。

海外の税関から求められる検認では日本での製造工程等を英語で表現し、
日本の税関から求められる事後調査では英語の説明を日本語で表現する
というケースが考えられます。

この場合、品目分類や原産地規則の知識を踏まえた英文作成、英文読解能力が
必要になるため、TOEICや英検のスコアが高いだけでは税関の要求を満たす
レベルの表現ができるかどうかは微妙な所です。

少々難解な課題ではありますが、今後のEPAによる関税削減手続きの中心となる
原産品申告書、明細書を英語にてスムーズに作成する事ができないと、
将来の貿易取引が成り立たないと言っても過言ではありません。

 

税関は自己証明を英語で書いてくれる?

税関主催のセミナーにて原産地規則等の解説を受けた際に質疑応答にて
以下のように質問しました。

「英文で原産地規則を満たす事を書面にするのは輸出入者様にとって
非常にハードルの高い事かと思いますがこの点について
何か解決策はありますか?」

これに対しセミナー主催者の税関職員は以下のように回答しました。

「基本的に英文に関して税関はアドバイスを行いませんので
輸出入者様にがんばってもらうしかありません」との事でした。

 

通関業者は自己証明を英語で書いてくれる?

税関主催の説明会にて「通関業者も原産品証明書の作成を行う事ができる」
と説明されますが、実際に通関業者が原産品証明書を率先して作成するかと
いうと、それはなかなか難しいかと思われます。

通関業者は基本的に荷主様から依頼を受けた書類に基づいて税関に申告をする
のがメインの業務となっておりますので、証明書類そのものを作成するのは
本来の業務範囲を大きく逸脱してしまう事になりかねません。

もちろん通関業者全てがそうだという訳ではありませんので、
申告文を一緒に考えてくれる通関業者がいれば心強い戦力になるでしょう。

しかし、基本的には原産品証明書は輸出入者、製造者が作成するという事が
原則となりますので、日々通関用語や専門の英文等に触れておく必要があります。

 

英語で原産品判定をどのように記述するか

原産品申告書の明細書を英文で記述するには
品目分類の知識、原産地規則の知識、通関専門用語の英語等が必要です。

多くの人にとっては未知の領域であると思いますので、原産品申告書の明細書例を
いくつか紹介させていただきます。

ソーセージの原産品申告書の英文明細書の例

以下の文はソーセージの原産品申告書の英文明細書の例です。

複数の非特恵受益国の原料を使用しており、旧NAFTAでの特恵税率を
適用する為に原産地規則を満たす事を理由を記述する文章です。

————————————————————————————————–

Frozen pork meat (HS CODE 02.03) is imported into the United States from Hungary
and combined with spices imported from the Caribbean (HS CODE 09.07-09.10)
and cereals are grown and produced in the U.S. to make pork sausage (HS CODE 16.01).
The General Note 12 rule of origin for HS CODE 16.01 states:
“A change to heading 16.01 through 16.05 from any other chapter.”

Since the imported frozen meat is classified in Chapter 2
and the spices are classified in Chapter 9,
these non-originating materials meet the required tariff change.

One does not consider whether the cereal meets the applicable tariff change since
it was grown and produced in the U.S.
Only non-originating materials must undergo the tariff change.

※HS CODEと書いてありますがアメリカではHTSと言います

————————————————————————————————–

 

上記の内容を簡単に説明すると以下のようになります。
※アメリカからNAFTA締約国に向けてソーセージを輸出するケースを想定
※関税分類変更基準のケース

 

————————————————————————————————–

ハンガリーからアメリカに冷凍ポーク(HSコード0203)を輸入
そこにカリブ海地域から調達したスパイス(HSコード0907から0910)を混合
更にアメリカにて収穫したシリアルを使用して
ソーセージが製造されました。(HSコード1601)

General Note 12にあるHSコード1601に対する原産地規則は
HS1601からHS1605に属する品目は他の類からの変更を要するとあり、
冷凍ポークは2類であり、スパイスは9類に属する事から
これら非原産材料は原産地規則を満たす事になる。

また、シリアルに関してはアメリカにて収穫されたものなので
原産地規則を考慮する必要がない事から
非原産材料のみが検討の対象となる

————————————————————————————————–

 

アイロンの原産品申告書の英文明細書の例

————————————————————————————————–

※メキシコからアメリカに向けて電気式ヘアーカーリングアイロンを輸出
※関税分類変更基準と付加価値基準のケース

————————————————————————————————–

An electric hair curling iron (HSCODE 8516.32) is made in Mexico
from Japanese hair curler parts (HSCODE 8516.90).

Each hair curling iron is sold for US$4.40;

the value of the non-originating hair curler parts is US$1.80.
The General Note 12 rule of origin for HSCODE 8516.32 states:

A change to subheading 8516.32 from subheading 8516.80 or any other heading; or

A change to subheading 8516.32 from subheading 8516.90,

whether or not there is also a change from subheading 8516.80 or
any other heading,
provided there is a regional value content of not less than:

(a) 60 percent where the transaction value method is used, or

(b) 50 percent where the net cost method is used.

The first of these two rules is not met since there is no heading change,
therefore the producer must verify if the curling irons can qualify under
the second rule.

In the second rule the required subheading change is met
(from HSCODE 8516.90 to 8516.32)

so one proceeds to calculate the regional value content.
The regional content under the transaction value method is:

($4.40 – $1.80)
———————- x 100 = 59.1%
$4.40

The hair curler is not considered an originating good under this method,
since the required regional value content is 60 percent
where the transaction value is used.

Instead, the producer uses the net cost method.
The total cost of the hair curler is US$3.90,
which includes US$0.25 for shipping and packing costs.
There are no costs for royalties, sales promotion or non-allowable interest.
The net cost is therefore US$3.65.
The regional value content under the net cost method is:

($3.65 – $1.80)
———————- x 100 = 50.7%
$3.65

 

The hair curler would be considered originating
since the required regional value content is 50 percent
when the net cost method is used.

Part 3 of this series will address preference Criterion C and unassembled goods.

※HS CODEと書いてありますがアメリカではHTSと言います

————————————————————————————————–

上記の内容を簡単に説明すると以下のようになります。

————————————————————————————————–

 

日本製のヘアーカーラーパーツ(HSコード8516.90)を使用し
メキシコで電気式のヘアカーリングアイロン(HSコード8516.32)を製造

個々の販売価格は$4.40となります。

非減産材料(日本製)の価格は$1.80
General Note12にあるHSコード8516.32の品目別分類規則は
以下の通りです。

■HSCODE8516.80から8516.32への号の変更若しくは他の号からの変更
又は上記基準を満たさない場合であっても
8516.90から8516.32への号の変更であれば以下の原産資格割合を
超えるものである事

(a)トランザクション値方式により60%以上

(b)ネットコスト値方式により50%以上

 

最初の2つの規則は号の変更が無いため満たすことはできないので
製造者によりもう一方の規則に該当するかどうかを確認

もう一方の規則にある号の変更は基準を満たしている為、
(8516.90から8516.32)
更に原産資格割合を満たすかどうかを計算する

 

($4.40 – $1.80)
———————- x 100 = 59.1%
$4.40

 

トランザクション値方式では閾値である60%を満たさない為
規則を満たせない。

しかし、ネットコスト値方式(製造原価からコストを算出)にて
計算すると合計コストは$3.9となる、
ここからシッピングコストと梱包量の$0.25を控除し、$3.65となる
ロイヤリティ、広告費、利息は無い為
ネットコスト値方式による原産資格割合は以下の通りです。

 

($3.65 – $1.80)
———————- x 100 = 50.7%
$3.65

 

ネットコスト値方式よりヘアーカラーアイロンは原産資格割合の
50%以上を満たすこととなる

特恵基準はCの品目別規則を満たす産品となる

————————————————————————————————–

英語で個別品目に対する原産品判定文書を入手

上記の例文を参考にして頂ければ関税分類変更基準、付加価値基準を基にして
原産地規則を満たす事を説明する明細書の作成の手がかりになると考えますが
個別の品目に対する製造工程を解説するにはまだ困難な部分が残ります。

そこで個別の品目に対する製造工程を解説する英文例を参考にする必要がありますが
個別の品目に対する製造工程文は企業秘密そのものである場合が多く、
ネットで検索してもそう容易には見つける事ができません。

そのような場合にはアメリカ税関(CBP)の事前教示回答事例(CROSS)の英文が
非常に参考になります。

原産品申告書(明細書)を英語で書く

トップ画面の検索バーに品名を入力するとその品目に対するHSコード(HTS)や
原産地判定に至った経緯等を読むことができます。

 

原産品申告書(明細書)を英語で書く

 

事前教示にはいくつかの種類があり、
青枠の”Classification”はHSコードの判定、
赤枠の”Origin”は原産地の判定、
黄枠の”MARKING”はマーク、ラベルの原産地表示の判定というように
それぞれ個別品目に対する税関側の見解と根拠が詳細に掲載されています。

これらはアメリカ税関の職員が記述した文書となりますので、品目分類や
原産地判定の根拠を英語で表現する為の英文例が非常に豊富です。

特定品目の製造工程が特恵関税率を適用する為に原産地規則を満たすかどうかを
判定した事前教示の例をいくつか紹介します。

非常に詳細に書かれている為、完璧に理解するのは容易ではありませんが
ここから応用できる文書パターンを多く学ぶ事ができます。

 

実際の事前教示例を読む

モーター
アメリカ、中国、日本産の原料を使用してメキシコで製造されたモーターを
8501.31に分類。関税分類変更基準を満たす為旧NAFTA特恵関税率適用を認める。

シリンダー
8412.31に分類し旧NAFTA特恵関税率適用は否認されるが非特恵原産地規則上
原産地表示はメキシコ産として認める。

マットレスカバー
メキシコで生産されている為旧NAFTA特恵関税率適用が認められ
原産地表示もメキシコ産として認める。

まくら
非原産材料を使用してメキシコにて製造された枕2種類を
9404.90に分類。関税分類変更基準を満たす為旧NAFTA特恵関税率適用を認められ
原産地表示もメキシコ産として認める。

 

また、アメリカ税関(CBP)による事前教示の回答事例以外では
EU税関による事前教示回答事例があります。

こちらは照会品目の画像とともに事例検索が可能ですのでイメージしやすいのですが
文章量に関して言えば圧倒的にアメリカ税関(CBP)の事前教示の方が豊富にある上、
英語以外の言語で解説されたものが多いのでサブ的に利用できればと思います。

 

原産品申告明細書を英語で書く際に役に立つEU事前教示データベース

乾燥させた植物
0604.90に分類(画像あり)

各種英文レターサンプル

原産性を証明する書類にもいくつかパターンがあります。
こういった書類も英語で作成する必要がある為、以下に各種
英文レターサンプルを紹介します。

原産品申告明細書サンプル

英語版原産品申告明細書サンプル1

英語版原産品申告明細書サンプル2

出典:日米貿易協定の概要

 

宣誓書サンプル

英語宣誓書サンプル

出典:Handbook on Rules of Origin for Preferential Certificates of Origin

 

付加価値計算書サンプル

英語版付加価値計算書サンプル

出典:Handbook on Rules of Origin for Preferential Certificates of Origin

EU版サプライヤー証明書フォーム

EUではサプライヤー証明書フォームが指定されております。
この書式を応用すればEU以外の国での証明の際に参考になります。

日EUEPA英語版サプライヤー証明書フォーム

 

上記例では4パターンのサプライヤー証明書が紹介されております。
それぞれの詳細は以下のようになります。

①ANNEX 22-15
締約国での原産品である事を宣言すサプライヤー証明書

②ANNEX 22-16
期限を定めた締約国での原産品である事を宣言すサプライヤー証明書

③ANNEX 22-17
非原産材料を加工した締約国原産品である事を宣言するサプライヤー証明書
(①、②とは異なり関税分類変更基準、付加価値基準の記載欄がある)

④ANNEX 22-18
期限を定めた非原産材料を加工した締約国原産品である事を宣言する
サプライヤー証明書

Filed Under: FTA/EPA, 通関英語 Tagged With: EPA, FTA, HSコード, jpeuepa, RCEP, TPP, オーストラリア, 原産地規則, 原産地証明書, 日EU経済連携協定, 日豪EPA, 検認, 税関, 自己証明, 自由貿易協定, 関税, 関税分類変更基準

原産地証明書をコピーで税関提出

最終更新日2017年8月10日 By 河副太智 Leave a Comment

日豪EPAの特色として原産地証明書が自己申告使用可となり、
輸出入者が作成したものをPDFで税関に提出できる事になりました。

そこで現時点で多くの方が使用している第三者機関が発行した
原産地証明書(FORM-AやEPA原産地証明書)はコピーでの提出が
できるのかどうかという点を解説したいと思います。

結論から言うとFORM-AやEPA等原産地証明書はコピーにて
通関時に税関提出は可能です。

一般的に通関士はNACCSという税関申告用の端末を使用しており、
PDFにスキャンした原産地証明書をMSXという機能を使用して
税関に電子申告をすることが可能です。

税関は通関士から受け取った原産地証明書のPDFデータを審査し、
その情報に基づいて特恵税率の使用可否を判断します。

しかし、自己申告と違う点はFORM-AやEPA原産地証明書の原本を
許可後3開庁日内に税関に提出する必要があるという事です。

これが提出できないと税関から鬼のように問い合わせが来ますので
ご注意ください。

 

今までは原産地証明書の原本を税関に直接提出しなければ
審査してもらえなかったのですがMSXというシステムができてから
税関に持っていくという作業が減りましたので
その分時間的に余裕ができました。

 

タイミング的には最低でも通関士の事務所に原本が到着してから
PDFに落としてもらい申告するのが望ましいです。

くれぐれも未入手の状態でコピー申告をしないようご注意下さい。

 

Filed Under: FTA/EPA Tagged With: EPA, FORM-A, FTA, MSX, オーストラリア, 原本, 原本提出, 原産地証明書, 国際輸送, 国際郵便, 経済連携協定, 自己申告, 自由貿易協定, 郵送, 関税

日豪EPAの原産地証明書(自己申告)

最終更新日2017年9月4日 By 河副太智 Leave a Comment

日本とオーストラリアは2015年1月にEPAの締約を結びました。
このEPAで注目すべき点は原産地証明書が自己申告となった事です。

通常EPAで使用する原産地証明書は商工会議所等第三者が
発給し、その原本を入手する必要がありましたが、
この書類自体を製造者、輸出者、輸入者が作成できます。

有利な点としましては通関にかかる時間が大幅に短縮される事です。

通常は原産地証明書の発給に時間がかかったり、
原本の入手にも時間がかかったり、
輸出者と輸入者間の意思の疎通がうまくいかず記載ミスへの対応
税関提出の為の通関業者への郵送が必要であったり
などなど

こういった煩わしさから解放されるという事が大きなメリットです。

現在2017年8月現在で自己証明の原産地証明書を使えるのは
日豪EPAのみです。

日豪EPA自己申告制度

※税関セミナースライドより引用

 

 

 

 

通常の原産地証明書を使用したEPA税率の適用手順は
以下のようになります。

原産地証明書提出までの流れ

〇生産者か輸出者が手配し、
輸出国の発給機関(日本の場合は商工会議所)が原産地証明書を発給

〇 輸出国の発給機関が貨物の輸出前に事前審査を行い
EPA税率の適正な適用を確保。

〇輸入者は、EPA税率を適用して輸入申告する際に原産地証明書を
輸入国の税関あてに提出する。

 

 

 

 

自己申告の場合は以下のような流れになります。

日豪EPA自己申告フロー

〇 生産者、輸出者、輸入者は原産品申告書の作成が可能。

〇輸入者は、EPA特恵税率を適用して輸入通関時に
原産品申告書のほか、原産品であることを明らかにする書類
(「その他の書類(明細書等)」)を輸入国の税関に提出する。

〇輸入通関時に輸入国税関の審査と輸入の許可後の
事後確認を行い、EPA税率の適正な適用を確保する。

 

 

書類作成の時間も短縮し、通関時審査の時間も短縮でき、
書類原本の税関提出も不要(コピーをPDF等で提出可)
いいことづくめのようにも見えますがリスクもあります。

 

商工会議所のチェックが入らないという事は問題があった際は
輸入者が全責任を負う形になりますので
自己申告をされる際は原産地規則の知識が必要となり、
確実にEPA税率が適用できる貨物である事をよく確認しなくては
なりません。

 

自己申告においては通関時の審査よりも
通関後の事後調査という形での審査に重点が置かれます。

通関時はスムーズに通り、後で面倒になる形です。

 

事後調査では以下のように税関から要請があります。

(イ) 輸入者に対し、
貨物が原産品であることを示す情報を要請/質問検査。

(ロ) 輸出締約国の発給機関又は税関当局に対し、
原産性の事後確認のための情報を要請。

(ハ) 輸出者や生産者に対し、
貨物が原産品であることを示す情報を要請。

(ニ) 輸出者や生産者の施設に
原産性の事後確認のための訪問を実施。

(注)上記(イ)~(ニ)までの事後確認手続に優先順位はない。

 

日本の税関がオーストラリア税関に問い合わせや
現地の輸出者、製造者を直接訪問する事ができます。

逆に日本から輸出する場合はオーストラリア税関が日本の輸出者
あるいは製造者を訪問する事もあり得るという事です。

そこで求められた情報を提供しない、できない場合は
EPA税率の適用が否認され、修正申告、過少申告加算税、延滞税の
対象になり、巨額の税金を徴収される恐れがあります。

 

以上を踏まえ、当サイトで原産地規則を学んで頂き
自己申告に活用して頂ければ幸いです。

Filed Under: FTA/EPA Tagged With: オーストラリア, 事後調査, 修正申告, 原産地規則, 原産地証明書, 延滞税, 日豪EPA, 経済連携協定, 自己申告, 自由貿易協定, 過少申告加算税, 関税

ISとは 化学品特有の原産地記号7

最終更新日2017年8月1日 By 河副太智 Leave a Comment

日豪EPAにおける化学品特有の原産地記号のISについて解説します。
日豪EPA協定文の品目別分類規則から引用します。

 

「IS」とは、「異性体分離に係る原産地規則」をいう。

第28類から第32類までの各類、第35類及び第39類
の規定の適用上、「異性体分離」とは、
異性体の混合物からの異性体の単離又は分離の工程をいう。

このに規定する類の産品であって、異性体分離が行われたものは、
その工程が締約国の区域内において行われた場合には、
原産品とみなす。

第61類から第63類までの各類に分類される産品の
原産地を決定するに当たり、産品の生産に使用された材料であって
第50類から第63類までの各類に分類されないものについては、
繊維を含むか否かを問わず、考慮しない。

 

※但し以下のHSに該当する貨物は上記規則の適用はありません

 

■項(HSコード4桁)
3501~3505までの全て

 

■号(HSコード6桁)
2905.43~2905.45まで全て
2906.11,2918.14,2918.15,2922.42,2923.20,2924.29,2938.90
2940.00,3006.92,3201.90

 

 

 

 

Filed Under: FTA/EPA Tagged With: EPA, FTA, IS, オーストラリア, 化学品, 日豪EPA, 異性体分離, 経済連携協定, 自由貿易協定

CPSとは 化学品特有の原産地記号5

最終更新日2017年7月31日 By 河副太智 Leave a Comment

日豪EPAにおける化学品特有の原産地記号のCPSについて解説します。
日豪EPA協定文の品目別分類規則から引用します。

 

「CPS」とは、「粒径の変更に係る原産地規則」をいう。

第三九類の規定の適用上、
(第三九・〇一項から第三九・一四項までの各項の産品を除く。)
「粒径の変更」とは、次のいずれかのものをいう。

 

産品の粒径の意図的なかつ制御された縮小
(破砕(又は圧縮)のみによるものを除く。)であって、特定の粒径、
粒径分布又は表面積を有する産品を生ずるもの。
その特定の粒径、粒径分布又は表面積は、
当該縮小の結果として生ずる産品の用途に関係し、
かつ、投入された材料と異なる物理的又は化学的特徴を
当該産品に与える。

 

産品の粒径の意図的なかつ制御された変更(圧縮のみによるものを除く)
であって、特定の粒径、粒径分布又は表面積を有する産品を生ずるもの
その特定の粒径、粒径分布又は表面積は、
当該変更の結果として生ずる産品の用途に関係し、かつ、
投入された材料と異なる物理的又は化学的特徴を当該産品に与える。

このに規定する類の産品であって、粒径の変更が行われたものは、
その工程が締約国の区域内において行われた場合には、原産品とみなす。

Filed Under: FTA/EPA Tagged With: オーストラリア, 化学品, 化学品CPS, 原産地規則, 実質的変更基準, 日豪EPA, 粒径の変更

冷凍牛肉に係る関税の緊急措置

最終更新日2017年8月2日 By 河副太智 Leave a Comment

平成29年7月28日に財務省より冷凍牛肉の関税率を上げるとの
発表がありました。

 

生鮮・冷蔵牛肉及び冷凍牛肉に係る関税というのは元々
暫定税率(一時的に通常より低く設定する税率)という関税の
計算方法により38.5%という設定でした

 

この暫定税率は一定の輸入規定数量内において適用される税率で
この規定量を超えると暫定税率ではなく協定税率を適用する事が
予定されていたものです。

 

以下が実行関税率表の冷凍牛肉の関税率一覧です。

 

冷凍牛肉関税率

 

青のカッコで囲まれた部分が暫定税率となり、
今まで適用されていた38.5%の税率です。

 

この税率が関税暫定措置法「第七条の五第一項」に該当する事に
なった場合上記税率一覧の赤のカッコで囲まれた税率に変更される
という事なります。

 

簡単に言うと平成29年4~6月における冷凍牛肉の輸入数量が
平成28年4~6月における冷凍牛肉の輸入数量の117%という基準を
超えたために今回暫定税率が撤廃され、
協定税率になるという訳です。

 

実際に協定税率の50%が適用されるのは
平成29年8月1日から平成30年3月31日までの間、
EPA税率の適用を受けない冷凍牛肉が対象となります。
(生鮮、製造牛肉に関しては対象外です。)

 

こういった輸入制限措置をセーフガードと呼び
特定の輸入貨物が大量に輸入される事により日本の産業に
悪影響を与える場合に発動させる制度です。

 

日本の産業を保護する目的ではありますが、
外食や小売り産業で値上げが起こり、
消費者に与える影響は大きくなりそうです。

 

日本の輸入牛肉は約9割を米国産と豪州産が占めており、
日本とEPAを結んでいるオーストラリア産の冷凍牛肉は対象外と
なっている為、これから豪州産の牛肉が優位になる可能性があります。

また、大手牛丼チェーンの吉野屋は使用する牛肉の約9割が
米国産冷凍牛肉となっており、大きな打撃が予想されます。

 

今後はEPAの締結状況が大きく市場を左右する事となるでしょう。

今回の件は米国は反発を強めているようですので
今秋の日米経済対話で焦点となるかもしれません。
(とは言ってもWTOで定めれたルールですので反発されても
どうしようもありませんが、、、)

 

話し合いの流れによっては日米自由貿易協定を前進させる事に
なるでしょう。

 

 

Filed Under: NEWS Tagged With: オーストラリア, セーフガード, 冷凍牛肉, 協定税率, 日米自由貿易協定, 暫定税率, 牛肉, 米国産牛肉, 経済連携協定, 自由貿易協定, 豪州産牛肉

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